
<大相撲秋場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館
番付表の書き手を務める幕内格行司の木村要之助(51=八角)と、その助手を担当する木村光之助(50=高田川)が、相撲博物館でのトークショーで相撲字の魅力を語った。
行司は土俵上での仕事が注目されるが、相撲字を書くことも大事な仕事の1つ。要之助は「相撲字を書けずにやめていく子もいる。相撲字は書けないと仕事にならないので、巡業がない2月と6月は行司部屋で教わります。毎場所、課題を与えて、場所前の木曜日に持ってきてもらいます。昔は『見て学べ』でしたが、今は教えないといけないので、練習する機会を多くしています」と説明した。
番付表を担当する行司は、千秋楽から3日後の番付編成会議後から準備を進め、書き手と助手2人で完成させる。要之助は「お相撲さんにとって番付は命。僕が書いて、光之助さんと秀朗さんに間違いがないかチェックしてもらう」と言い、光之助は「間違えちゃいけないので、遠慮なく言わせてもらって助手としてサポートしています」と話した。
相撲字は、一般的な字とは形や書き順が異なるケースがある。満員御礼を願って隙間なく太く書くことが特長で、光之助は「隙間を残さないように、つぶれないように書くことがあります」と、独特の世界観を口にした。
相撲字の練習方法について、要之助はこう話した。「練習されるなら、楷書を太く書いてみる。書道は毛先でかきますが、相撲字は筆の根本も使わないと書けない。太く書くために、毛先で書く癖がついていると書きにくい。筆を下ろして、根本を使うと太く書けます。字だけど、絵に近い。真四角の中にいかに均等に白いところを残すか、それを意識していただくと練習になります」。
光之助は「時間がある時は土俵入りの後、翌日の取組を披露する立行司による顔ぶれ言上があります。電光掲示板など相撲字がたくさんありますので、見ていただければ」と呼びかけていた。【佐々木一郎】
