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【宮本慎也】今季の中日、勝負どころでの内容が悪いから「打てない」という印象が強く残る


【写真】巨人対中日 投手交代を告げる井上一樹監督(撮影・黒川智章)

<巨人5-1中日>◇9日◇東京ドーム

今季の中日打線を見て、皆さんはどう感じているのだろう。今試合を見ていると、ふと思ってしまった。打てているようで打っていないし、打てないようで意外と打っている。この試合前まで本塁打は108本でリーグ2位だが、得点数は422でリーグ4位。この数字が物語っているように思う。

そんな中日打線を象徴するような試合になった。1点を追う2回表の攻撃だった。1死一、三塁という場面で、7番の岡林を迎えた。フルカウントから6球目だった。外角のボールゾーンからボールゾーンに逃げていくチェンジアップを振って三振だった。まるでストライクに投げてくるだろうと決めつけて振ったスイングに見えた。

なおも2死一、三塁で打席には8番の石伊だった。カウント1-2から一塁走者が二盗に成功し、再びフルカウントになった。ここで1球、外角のスライダーをファウルした9球目だった。外角に逃げるスライダーを振って三振した。1~2年目の選手なら仕方ないが、岡林は経験を積んでいる打者だった。

石伊にはよく考えてほしかった。一塁は空いているし、巨人のバッテリーは甘くなって打たれるぐらいなら四球でもいいから次の投手・大野と勝負すればいいと思っていたはず。1球前に外角のスライダー(ファウル)を要求したのも、絶対に甘く入るのを防ぎたい意図があったと思う。そして捕手の大城は外角のボールゾーンに構え、同じ球種を同じ外角に続け、1球前よりボールゾーンになったにも関わらず、空振り三振した。

同じ状況で自分が捕手なら、どう考えたのか考えてほしい。9番打者に代打が出されるような状況ではない。何が何でも勝負しようとは思わないだろう。

1点を追う4回表無死一、二塁からの上林の打席も不可解だった。巨人バッテリーは左打者に引っ張られたくない配球をしてくるため、直球系の球で外角を中心にした攻めになる。それなのに無理やり引っ張りにいくバッティングをして、最後は外角のボールゾーンに逃げるスライダーを空振り三振した。

ベンチから進塁打のサインが出ていた可能性はある。だが、仮に走者を進めたいなら送りバントをさせた方がマシだし、打たせるなら中途半端に進塁打のサインを出す必要はない。上林が自主的に進塁打を狙ったのなら、5番を任されたという自覚を持って打席で勝負してほしかった。

こんな攻撃をしているようでは、効率よく得点できないだろう。すべてがうまくいくわけではないが、状況に見合った狙いは持ってほしい。勝負どころでの内容が悪いから、打線に「打てない」という印象が強く残るのだと思う。(日刊スポーツ評論家)

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