
スポーツ記念グッズを専門に扱う競売会社大手「THE Realest(リアレスト)」のスコット・キーニーCEOが、ドジャース大谷翔平投手(32)の伝説を語り継ぐ「ストーリーテラー」としての使命を語った。8月17日(日本時間18日)、大谷の特注スパイク「Ohtani1」が、野球シューズとしてはMLB史上最高額の44万55ドル(約7040万円)で落札された。歴史的なお宝を、なぜ競売に出すのか。その真意を熱弁した。【取材・構成=斎藤庸裕】
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大谷のスパイクが、歴史を刻む伝説となった。これまでの最高額は、史上最高のNBA選手で94年にホワイトソックス傘下のバーミンガム・バロンズに所属していたマイケル・ジョーダンの9万3000ドル。レジェンド超えの価値に、キーニーCEOは「メジャーリーガーとして東京でプレーする初の試合はもう2度とない。最初の『Ohtani1』も2度とない。この1足は、その歴史を象徴するものです」と語った。
出品されたスパイクは、25年3月18日に東京ドームで開催されたカブスとの開幕戦で使用したもの。右足には愛犬「デコピン」のイラストがあしらわれ、靴底には東京ドームの土が付着したまま残されていた。大谷本人のサインも添えられ、英語ではなく漢字のサイン。実際に使用したことを証明する「GU(GAME Used)」の直筆文字も書き込まれている。
8月6日(同7日)には、ロサンゼルスで特注スパイクの展示イベントを開催。キーニーCEOは「現代の野球界において最も重要なシューズの一つ。実際に使用したということの価値だけでなく、野球の伝統、日本のスポーツ史、スニーカー文化が交差する歴史的なものだ」と熱弁した。
競売にかけ、その価値を高めることだけが目的ではない。エンゼルスで二刀流に挑戦していた頃から大谷の希少性に注目していた。「彼の才能を見れば、スーパースターだということは明らかだった。仕事に対する姿勢、どれだけ真剣に取り組んでいるか、そして、人生の使命として取り組んできたことも大きい。毎日のように歴史が作られるところを目撃しているのは、本当に幸運なことだ」
記念品とともに、その人物の生きざまを伝える-。「彼を見ていると“ビジョンを持つこと”の大切さが分かる。子どもの頃から人生の目標を書き出して、それを追い続けてきた。そして今でも努力を続けている」と語り、絶大なリスペクトを示した。その上で今回の競売に情熱を注いだ、その真意を明らかにした。
「ストーリーテラーとして歴史的な品にふさわしい愛と価値を与えることが私たちの役割。私たちもいつか、この世を去る日が来る。しかし、こうしたアイテムは残る。100年後、200年後の子どもたちにも、見てもらいたい。そして、『何だろう?』と興味を持ち、ショウヘイ・オオタニという選手について知ってほしい。彼が選手として、人間として、どれほど素晴らしい存在だったのかを知ってもらい、彼の物語を未来に残していきたい」
ベーブ・ルース以来、100年ぶりに二刀流の歴史を掘り起こした大谷は、MLBの新時代をけん引するシンボルとなった。同CEOは「スポーツ界の『真の偉人』というカテゴリーで並ぶのは、バスケットボールのマイケル・ジョーダン、アメリカンフットボールのトム・ブレイディ、そして野球ならショウヘイ・オオタニでしょう」と力を込める。世紀をまたぎ、その功績と記憶は語り継がれるだろう。
◆大谷の代表的なお宝グッズ メジャー挑戦1年目の18年、メジャー初登板初勝利を挙げた時の帽子が、米国野球殿堂博物館に寄贈された。投打のリアル二刀流で開花した21年には、MLB初の二刀流でオールスターに出場。当時着用していたスパイク、肘当てなどが同博物館に寄贈された。また、23年7月27日、敵地デトロイトのタイガース戦ではダブルヘッダーの第1試合でメジャー初完封。第2試合で2打席連続本塁打を放ち、二刀流の伝説を作った。2試合目のユニホームはスミソニアン国立アメリカ歴史博物館に寄贈され、展示予定となっている。
