
日本相撲協会は9日、伊勢ケ浜部屋の伊勢ケ浜親方(34=元横綱照ノ富士)が弟子の伯乃富士に対して暴力を振るった問題で処分を発表した。伊勢ケ浜親方には委員待遇から年寄への降格と報酬10%減額(3カ月間)が科された。知人女性に不適切行為を行ったことが発覚した伯乃富士には、理事長による厳重注意にとどめた。
協会は伊勢ケ浜親方の暴行について「指導者である親方が弟子に直接暴力を振るった」として厳しく問題視したが、暴行の程度が極めて悪質とは言えないこと、単発的で常習性がないこと、速やかに自ら報告したことなどを考慮して処分を決定した。一方、伯乃富士の不適切行為については「著しく品位を欠く行為」および「協会の信用を失墜させる行為」と認定したものの、過去の懲戒処分歴がないことや被害女性が処分を求めていない点などを踏まえ、厳重注意処分とした。
事件は今年2月21日の午前3時頃、伊勢ケ浜部屋の力士や後援者らと会員ラウンジで会食中に起きた。伯乃富士が同席した後援者の知人女性に対し、太ももを触るなどの不適切な行為を行った。これに気づいた伊勢ケ浜親方は、泥酔状態の伯乃富士がトラブルを起こすのを防ぐため店外へ連れ出そうとしたが、言うことを聞かないため左頬を拳で1発、平手で顔面を1発殴打した。その後、伯乃富士は伊勢ケ浜親方に謝罪した。
伊勢ケ浜親方は同23日に協会のコンプライアンス部長に自ら報告。協会は事実を確認し、コンプライアンス委員会で調査・審議を行っていた。
協会は今後、伊勢ケ浜部屋の指導体制を強化する。伊勢ケ浜親方の部屋を協会と一門の指導・監督下に置き、定期的に状況を確認。また、弟子の指導・監督については部屋付き親方4名と伊勢ケ浜親方の計5人で集団指導体制を取ることとした。
伊勢ケ浜親方は処分発表に際し、「この度は、私の行動により多くの方々にご迷惑とご心配をおかけしましたことを心より深くお詫び申し上げます。いかなる理由があっても暴力は決して許されるものではなく、自身の行動を深く反省しております。今後はこのようなことを二度と起こさぬよう、自らを厳しく律し、日本相撲協会より受けた処分について、真摯に受け止め、皆様からの信頼を取り戻せるよう努力してまいります」とコメントした。
協会は「親方が暴力を行使することは絶対に許されない」と改めて強調し、再発防止を徹底する方針を示した。
