
<ソフトバンク1-2西武>◇8日◇みずほペイペイドーム
西武が首位ソフトバンクに連勝し、開幕してから4カード目にして初のカード勝ち越しを決め、ロッテが敗れたため、西武は最下位を脱出し5位に浮上した。高橋光成投手(29)が8回2安打11奪三振で「0」を並べきり、今季1勝目を挙げた。
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高橋の“視線の先”は周りと少し違う。
6回2死の後、5球連続でボール球。乱れかけたがルーキー小島と会話し、最後は遊ゴロに。高橋光はベンチへ歩きながら体をひねった。一塁カバーで遠くにいた小島を見た。小島が近づくのを待ってもう一度見る。隣に来ても言葉は最小限、グラブをたたいて称賛。それをしたくて2度、小島の居場所を確認した。
投手が捕手を育てる、のように見られがちな7歳差バッテリーだ。高橋光はそうは思わない。「ともに成長する、の方がイメージが近いと思います」。ブルペン投球したことを説明する時も「捕手を座らせて」とは言わず「捕手に座っていただいて」という。周りのおかげで投げている-。外見からオラオラ系と思われがちだが、思いやりにあふれる本質がちょっとしたところににじみ出る。
2月23日、南郷キャンプ最終日。選手、首脳陣全員でスタンドにサインボールを投げ入れた。一塁側スタンドに多くのファンがいたから、大半の選手たちはそこへ投げた。高橋光は違った。人もまばらなネット裏に投げた。「いやいやいや、無意識ですよ。でもまぁ、みんな同じようなところに投げてましたからね」。静かに座っていたファンが、もみ合うこともなく大切そうにボールを手にしていた。【金子真仁】
