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【注目!長嶋茂雄賞】報道を軽視する選手に資格なし ファンも選考に巻き込めれば/小俣進氏


【写真】小俣進氏(02年12月11日撮影)

取材歴40年の編集委員が今年のプロ野球の注目ポイントを3つ紹介していきます。1回目は「長嶋茂雄賞」。日本野球機構(NPB)は今季から、昨年6月3日に89歳で亡くなった長嶋茂雄さんの名を冠した賞を新設しました。NPB所属の野手の中から、プレーだけでなく人々を魅了する姿勢で球界発展に寄与した1人を選出します。ただ、投手に贈られる「沢村賞」のような選考基準は今のところなく、イメージが先行しています。「長嶋賞」にふさわしい選手とは-。長嶋さんとゆかりのある3人に聞きました。【取材・構成=沢田啓太郎】

   ◇   ◇   ◇

私がプロ入りした時、監督はまだ現役だったのですが、広島市民球場で打撃練習を始めると、カープの選手がそれを見に集まるんです。1軍から2軍まで。WBCで大谷選手の打撃練習に敵味方関係なく熱い視線を送ったようにです。技術と存在感は飛び抜けていました。

広島から巨人にトレードされた24歳からは、長嶋監督を近くで見てきました。圧倒的なオーラと、何かやってくれそうな雰囲気は唯一無二です。ただ、監督のすごさはそれだけではありません。お客さん、マスコミ、裏方さんといったプロ野球に携わるすべての人を大切にする姿勢こそ、長嶋茂雄なんです。

いつも「お客さんを喜ばせるのが我々の仕事」と言っていました。そのお客さんを喜ばせる方法も、1つじゃない。例えば、無死一塁の攻撃でやるべきことって、バント、エンドラン、盗塁などと、割と限られるんです。問題は「いつ」「誰が」やるかなんです。このタイミングでエンドランをかけたらお客さんは沸くだろうな、ここでこいつに盗塁させたらお客さんはびっくりするだろうな、と考えるのが監督なんです。

「野球というスポーツは多面的だから、いろんな人の意見や声を聞くことが大事なんだ」と言っていました。特に、マスコミの後ろには何万、何百万人というファンがいるんだから、マスコミを通してファンを喜ばせるのがプロだと。

取材する側や第三者の意見、考えを知ること、これを大事にしていました。取材する側も、野球や取材相手を勉強する必要があるから、お互いにメリットがあるんです。だから、第三者による報道を軽視する選手には「長嶋茂雄賞」をもらう資格はないと思います。

自分や選手、コーチを支えてくれる裏方さんへの気配りも忘れませんでした。機会をみては、食事会を開いていました。オープン戦で山口の徳山に行った時は打撃投手から用具係まで数十人にふぐのフルコースをふるまっていました。もちろんポケットマネーです。試合で審判の判定に抗議しても、批判は絶対にしませんでした。野球に携わるすべての人をリスペクトしていました。

昨シーズンで言えば、阪神の森下翔太選手がふさわしいと思います。マスコミへの対応や裏方さんへの接し方は分かりませんが、明るさと何かやってくれそうな雰囲気を持っている。大学1年の時から森下選手を見ているんですが、グラウンドのどこにいても光ってみえました。

最後に1つ。選考委員の方々はいずれも素晴らしい方ばかりですが、プロ野球OBではない方の意見や見方も取り入れてはどうでしょうか。「野球は多面的」という長嶋監督の考え方を受け継いでいくのならば、ファンやお客さんも賞の選考に巻き込んでいって欲しいと思います。

◆小俣進(おまた・すすむ)1951年(昭26)8月18日生まれ、神奈川県出身。藤沢商(現藤沢翔陵)-コロムビア-大昭和製紙を経て、72年ドラフト5位で広島入団。巨人、ロッテ、日本ハムに在籍した。現役引退後、巨人打撃投手を経て、監督付広報として長嶋さんを支えた。

◆長嶋茂雄賞 公式戦とポストシーズンで走攻守に顕著な活躍を見せ、ファンの心を動かすプレーでNPBの価値向上に貢献した野手1人に贈られる。25年11月の12球団実行委員会で新設が承認された。選考委員はいずれもプロ野球OBの王貞治氏、山本浩二氏、岡田彰布氏、栗山英樹氏、松井稼頭央氏の5人。日本シリーズ終了後に選定され、表彰式は「NPBアワード」で行われる。記念品、メダル、副賞300万円が贈られる。

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