
<日刊スポーツアンケート>
高校野球で酷暑や投手への負担対策などを考慮した「7イニング制」の導入に関する議論が注目を集めている。日刊スポーツは3月の第98回選抜高校野球大会(甲子園)に出場した全32校の監督にQ1~3のアンケートを実施。それをふまえて自由意見を聞いた。長崎日大・平山清一郎監督は「断固反対」と答え、中京大中京・高橋源一郎監督は「まず、ベンチ入り人数の拡大」を求めた。各監督から出た意見は以下の捕り。
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▽高知農・下坂充洋監督 毎年、気温が上昇する中で、一番大変なのは運営側だと思います。暑さによる命の危険性も感じる近年ですが、何とか今まで通り野球をするために、指導者がさまざまな工夫をしなければいけないと思います。
▽長崎日大・平山清一郎監督 断固反対である。高校野球100年の歴史や伝統、さまざまな記録や記憶などを軽視した改革案だと思っている。9回だからこそのドラマや感動がこれまでの高校野球100年の歴史だと思っている。暑さ対策や選手のけが予防に関しては、球数制限や2部制・タイブレーク制などさまざまな点で改革して頂いている。引き続き改革を進めていき、科学の力を借りながら十分に現役選手を守る制度を整えていってほしいと思っている。だけれども7回制は違うと思っている。7回制は7回制のドラマや感動があるのかもしれないが、競技そのものが違っていくのではないか。じゃあ5回制で3回制でともなる。過去の記録や記憶とも比較が全くできなくなるほどの改革である。そういった意味で過去を軽視する改革ではないかと思っている。DH制による出場機会の増加とも反対の改革でもある。国際大会は国際大会である。高校野球は先人たちの努力で日本に根付いたどの世代にも感動を与える夏の風物詩・文化であると考える。7回制は競技が変わる。踏み込んではいけないのではないか。これによって離れるファンもいるのではないか。その人たちは多分、もう帰ってこない。延長がタイブレークになるのとは訳が違う。7回制によるメリットは他で補える。デメリットはもう取り返しがつかないと考える。偉そうに大変申し訳ないが、いま一度の議論をお願いしたい。
▽日本文理・鈴木崇監督 健康管理する上での7イニングのはずが、投手起用については9イニングより負担が大きくなるケースが出てくると思います。
▽中京大中京・高橋源一郎監督 7イニング制の導入が検討されている背景には、選手の健康管理や負担軽減という目的があると理解している。しかし、その目的を実現するためには、イニング数の短縮以前に取り組むべきことが多く存在すると考える。まず、ベンチ入り人数の拡大である。現在の登録人数では、試合中の選手交代や役割分担に限界があり、結果として一部の選手に負担が集中しやすい。登録人数を増やすことで選手起用の幅が広がり、投手や主力選手への過度な負荷を軽減することができる。加えて、大会登録メンバーの枠を別途設け、その中から毎試合20人もしくは25人を選出する方式も有効であると考える。この方法であれば、選手のコンディションや連戦による疲労度を考慮した柔軟な起用が可能となり、健康管理の観点からも大きな効果が期待できる。また、ブルペン捕手やボールボーイなどの役割をベンチ登録外の生徒に担わせる仕組みを整えることも重要である。これにより、試合に出場する選手の体力的・精神的負担を軽減し、より安全な環境でプレーさせることが可能となる。さらに、今回検討されているDH制の導入のように、投手の実質的な負担を軽減するルール整備や、過密日程の見直しなど、大会運営面での改善策を優先して講じるべきである。これらの具体的な対策を十分に検討・実施しないまま、安易に7イニング制を導入することは、本質的な課題解決にはつながらない。選手の健康管理という観点に立つのであれば、まずは現行の9イニング制を前提とした環境整備や制度改革に取り組むことが先決であると考える。
