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【虎になれ】お祭り騒ぎの影で 自打球の痛み振り払い全力の木浪聖也


【写真】阪神対ヤクルト 5回裏阪神2死二、三塁、木浪は適時内野安打を放つ(撮影・上田博志)

<阪神9-3ヤクルト>◇7日◇甲子園

甲子園はお祭り騒ぎだった。先発・才木浩人が16三振を奪う快投を見せれば森下翔太が5回に豪快な3号2ラン。大トリは佐藤輝明が8回にお待たせしすぎたかも分かりません的な10試合目での1号ソロだ。

7回裏には7年ぶりのジェット風船がタイミングを忘れたのか知らないのか、ややバラバラな感じで上がった。極め付きは地元・西宮が生んだスター・あいみょんの始球式か。オーナー付顧問・岡田彰布でなくとも「そら盛り上がるよ」と言いたくなる展開だった。

これに圧倒されたか首位ヤクルトが4失策と信じられない野球を見せ、阪神は11安打9得点の圧勝。急に冷え込んだ4月のナイターもなんの、きょう8日にも首位奪取しそうな勢いだ。

と、ここまで書いたけれど序盤はそうでもなかった。4回、才木が先頭打者に内野安打で初出塁を許すと10試合目にしてチーム初失策となる大山悠輔の二塁への悪送球などもあって先制を許していた。

ヤクルト小川泰弘の立ち上がりもよく、イヤなムードが漂い始めていた4回裏だ。2死から佐藤輝、大山の連打で一、二塁としたものの6番・木浪聖也は二ゴロ。「ああ」と思った次の瞬間、二塁手・伊藤琉偉の股間をボールが抜けていくのだ。ヤクルトにすれば痛すぎる適時失策。ここから流れは変わっていく。

実はこの打席でちょっとしたアクシデントが起きていた。木浪は自打球を右ふくらはぎに当て、少し打席を外している。あいみょんと親交があり、甲子園を訪れていた桧山進次郎(日刊スポーツ評論家)は「ふくらはぎの自打球は痛い。肉離れのおそれも出るので」と説明した。

だが木浪はそれを振り払い、一塁へ全力疾走。これが生きた。相手失策は木浪の活躍ではないが、いまのチームは彼が絡むと何かが起こる気配だ。5回にも適時打となる二塁内野安打を放った。

同時にあわやミス…という場面も。8回、長岡秀樹の遊ゴロを一瞬ポロリ。拾いなおして送球したが判定はセーフに。しかし球児のリクエストで覆り「今季初失策」とはならなかった。お祭り騒ぎの影で、ひそかにいろいろあったのだ。

「(自打球は)そりゃあ痛いですけどね。別に何の影響もないです。とにかく反省するところは反省して、また次です」。木浪はそう笑顔を浮かべた。現在のチームに彼の存在は大きい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

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