
<ソフトバンク6-8西武>◇7日◇みずほペイペイドーム
西武仲三優太外野手(23)がついにプロ初本塁打を放った。5日に1軍昇格し、2試合連続で「4番DH」としてスタメン起用。5回1死二塁の第3打席、スライダーを完璧に捉え、右翼席へ放り込んだ。
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仲三が1軍で本塁打を打った。しかも4番打者として。恐縮しつつも「光栄です」と言葉は強い。プロ1号が打った瞬間の、いわゆる確信弾の選手もなかなかいない。しかし、スラッガーとしての風格が漂う“ナカミ伝説”はとうに始まっていた。
23年オフ、戦力外通告を受け、育成再契約となった。守備に不安があり当時の渡辺GMらが「打つことに専念させたい」と決定。でも悔しい。「あの頃は思い切り振ってましたね」。2軍球場カーミニークフィールドでの秋季練習。ファンも練習見学する室内練習場の近くに、いきなり「カツンッ!」と硬球が落ちた。推定飛距離135メートル前後。後日、仲三が打ったと知った。
それをしのぐ伝説が生まれたのは25年7月14日、東京ドーム。試合前の打撃練習、どれほどすごい打球を打つか、記者も楽しみにみていた。しかし意外と普通の当たり。そこに球団関係者が登場した。
「違うんですよ。さっきナカミ、早出練習でも打ってて。長嶋さんのセコムに当てちゃったんです」
東京ドーム右中間最深部の高い場所にある、長嶋茂雄さんの「SECOM」の大看板に直撃させたというのだ。直撃には145~150メートルが必要とされる。「あ、はい、当たっちゃいました」と照れた仲三はその日のナイターで強打者に多い有鉤(ゆうこう)骨骨折も経験。その豪快さで次は何を見せるのか。いつの日か長嶋茂雄賞を-。夢見たくなる才能を秘める。【金子真仁】
◆仲三優太(なかみ・ゆうた)2002年(平14)10月22日、栃木市生まれ。大平中では小山ボーイズで投手として春、夏全国準優勝。大阪桐蔭ではセンバツ出場が決まっていたが、コロナウイルスの影響で大会が中止になった。20年ドラフト7位で西武に入団。今季から、子どもたちが覚えやすいようにと本名の仲三河(なかみがわ)から登録名を仲三に代えた。180センチ、100キロ。右投げ左打ち。
