
<高校野球とDH>(1)
高校野球で今春から採用となったDH。メジャーやパ・リーグでも採用されているが、高校野球界では新ルールとなる。
他のカテゴリーではすでに導入されている規則だが、始まりはMLBのア・リーグだ。得点力アップによる観客の増加を狙って73年から導入された。その後、NPBでも75年からパ・リーグで取り入れた。MLBでは20年にコロナ禍によりナ・リーグでも1年間導入され、22年からは正式導入となり、MLB全体で制度が統一。NPBでも27年からセ・リーグで採用が決定し、両リーグで採用されることになった。
プロでの広がりを経て、アマ野球界でも導入が進んだ。88年に社会人野球の日本選手権、翌89年には都市対抗でも導入となった。大学にも影響は波及し、92年からは全日本大学選手権で採用が決まり、同年春のリーグ戦から採用する連盟も出た。未採用だった東京6大学と関西学生でも今春リーグからの採用を25年春に発表。全日本大学野球連盟に加盟する全27連盟でDH制導入となった。
高校野球への導入の議論は19年にスタート。投手の負担軽減策を多角的に議論する過程でDH制採用案が浮上した。「投手の負担軽減」「出場機会が増える」といった賛成意見がある一方で、「高校野球の段階では走攻守すべての技術向上を目指すべき」「小中学生の規則に影響する」と否定的な意見もあった。
その後審議を重ね、昨夏に日本高野連の理事会で承認。「投手が投球に専念できることや打撃に特徴のある選手が活躍できることなど、選手1人1人の個性がより生きる試合となることを期待している」と26年春からの採用が決定した。
野球界全体としてDH制導入の流れがあることも影響。日本高野連としても「プロアマを問わず野球全体が競技の魅力を高め、選手を大切にしようとしている流れだと受け止めています。高校野球としても、その流れの中で大切にすべき価値を守りながら、前に進んでいきたい」と新たな取り組みに至った。
近年はさまざまな改革で進化している高校野球。この春からはDH制が加わり、新たな一面を見せる。【林亮佑】
