
ソフトバンクのドラフト5位高橋隆慶内野手(24=JR東日本)がA組でキャンプを終えた。
3日の本拠地ペイペイドームでのオープン戦ヤクルト戦から、開幕1軍へのサバイバルが本格化する。即戦力として期待の社会人屈指のスラッガーもキャンプはB組スタート。守備で苦手なスローイングの克服がA組昇格への条件のひとつだった。金子圭輔2軍内野守備走塁コーチ(40)の指導がきっかけでみるみる上達。第3クールからの昇格となった。
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「ネコさん(金子コーチ)の一言が本当に大きかったんです」。高橋は感謝した。
明秀学園日立(茨木)では捕手、中大では右翼だった。三塁手になったのはJR東日本に入ってから。ハンドリング、捕球はうまいが、送球が不安だった。B組での全体練習後に個別で金子コーチがサブグラウンドで指導。悪送球をするたびに声を上げて悩む高橋の姿を冷静に見た金子コーチは「送球がシュート回転していたが、肩が強い。だから曲がっても一塁に届く。だからシュートの軌道のまま安定すればいいと思った」と感じた。変に意識して引っかけて右投手のスライダーのように曲がると一塁手も捕球が難しいが、胸元目がけてシュートしてくるなら対応しやすい。
金子コーチは高橋に「そのままでいいから」と伝えた。欠点を矯正するのではなく、シュート回転という欠点も気持ちよく投げることで長所にした。キャンプ前に王球団会長が首脳陣の前で「長所を伸ばそう」と話していたチーム方針そのものだった。高卒なら基礎からやり直すこともできるが、即戦力の社会人。欠点をうまく利用し確実性を高める選択だった。
第3クールから新人でただ1人A組に昇格。人生初の二塁にも挑戦し可能性を広げている。だが、1軍での初対外試合となった2月22日の侍ジャパンとの壮行試合で、5回2死走者なしから三塁守備で一塁へ悪送球。その後の5失点の引き金となった。試合でのワンプレーの大事さを痛感。その後のキャンプでノックを受け、体で覚えていった。
打撃では山川や柳田に打席での待ち方、考え方を教えてもらった。「2人とも基本的に真っすぐをセンターに打ち返すと言ってました」と高橋。引っ張ってばかりいた気持ちも変わった。三塁には栗原がいて、右の内野手には野村、広瀬隆、井上とライバルも多い。だが、思い切りのいい打撃で少ないチャンスをものにして、開幕1軍をつかむ。【石橋隆雄】
