
胸を張って新天地へと羽ばたく。仙台育英の卒業式が1日、宮城・多賀城市内で行われた。
昨夏甲子園に出場した同校野球部は、入部当初と変わらない25人でこの日を迎えた。式後には須江航監督(42)がマウンドに立ち、毎年恒例の1打席勝負。最後は卒業生らに言葉を贈り、新たな門出を祝った。
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最後まで縁の下の力持ちとしてチームを支えた。寮長も務めた田口大和外野手(3年)は「本当に仲間に支えられた3年間でした。自分自身を成長させてくれる仲間の存在や、絆を得られたことが一番大きなことでした」と振り返った。
まさに、背中で見せる男だった。「当たり前のことを誰よりも先にやる」。グラウンドの準備やゴミ拾いなど、率先してやり続けた。野球以外の日常生活でも、寮長として正しい方向に導いた。佐々木義恭(よしたか)前主将と二人三脚でチームを作り上げ、チームメートからも絶大な信頼を寄せられていた。
最後の夏はベンチ入りがかなわなかった。それでも、悔しさは甲子園には持ち込まなかった。「絶対にこいつらを日本一にさせよう」。公式練習で初めて甲子園の土を踏んだ。その瞬間“遠い場所″から“日本一になる場所″に変わった。応援団長としてアルプスから声をからした。
須江監督の目には、田口を中心とした控え選手らの姿が今でも目に焼き付いている。「彼らこそが一番の功労者」とうなずいた。「最後まで努力し続ける、選ばれなくても献身的にチームを支える。もう1度、甲子園に戻してくれたのも、後輩の道しるべになったのも控え選手の存在があったからです」と話した。
田口の将来の夢はプロ野球楽天の球団職員。4月からは亜大に入学し、野球部マネジャーとしてチームを支える。3年間の思いを胸に、夢への第1歩を踏み出す。
