
ロッテ一筋20年通算85勝を挙げた「サンデー晋吾」こと小野晋吾氏(ロッテプロスカウト)の長女で、立大マネジャーの小野馨子(けいこ)マネジャー(4年=女子聖学院)が、日本ハムの球団職員として来春に入社を予定していることが5日、分かった。
「就職活動はもともと幅広い業界で受けていて、最終面接の時にエスコンフィールドに足を踏み入れたときに、直感で『ここで働きたい』と思いました」と決め手を明かした。航空会社の客室乗務員(CA)や食品業界など5、6社から内定を得たが、就職活動の終盤に入った6月に運命の出合いが訪れた。
「とりあえず受けてみるか」という気持ちで、新卒採用している球団3社を受け、日本ハムの選考に進んで最終面接に臨んだ。そこでエスコンフィールドを核としたボールパーク「Fビレッジ」に入った瞬間に胸がときめいた。
野球観戦だけではなく、アクティビティやキッズエリアが充実。さらに温泉、サウナ、宿泊…。ありとあらゆるニーズに応える作りに圧倒され「これからもいろいろと開発していくと聞いて、やりがいと楽しみを感じて。ワクワクが止まりませんでした」と日本ハムに入社することを決めた。
4年間のマネジャー職が終わりに近づいている。「本当に夢のような時間でした」とかみしめる。
中高時代は女子校で野球部マネジャーの願いがかなわず「立教大学野球部のマネジャーになりたい」と進学するも、入学前のマネジャー選考でまさかの落選。「ご希望に添えない結果となりました」と送られてきたメールを見て目の前が真っ暗になった。
1年生の6月に行われた最後のマネジャー選考は今も焼き付いている。溝口智成前監督(杏林大監督)が来るのを待ち駐車場で4時間粘り、思いを込めた4枚の手紙を直接手渡した。結果を覆すことはできないと言われたが、2度の面接を経て吉報がもたらされると涙でいっぱいになった。
当初父からは「マネジャーは大変だからやめなさい。普通の大学生活を送る方がいい」と言われたが、「やめようと思わなかった。最後は父もあきれるくらい意思が固かったと思います」となつかしむ。実家から離れて寮生活だが、全く苦にならなかった。むしろ「夢のような時間でした。やめたいと思ったことは1度もなく、毎日が楽しかったです」と鮮やかな記憶として刻まれた。
最も思い出に残るのは最初で最後のベンチ入り。「2年生の時の秋のフレッシュトーナメントは忘れられません。みんながコールド勝ちしてくれて、一緒に喜んで」。かけがえのない瞬間だった。
卒業後は東京を離れ、北海道で社会人生活をスタートする。「北海道で1人暮らしになりますが、父からは『離れた方がいい。1人で頑張りなさい』(笑い)」。大好きな父のちょっぴり厳しくも温かいエールを受け、来春からの北海道での新生活に向けて準備する。【平山連】
