
憧れ続けたマウンドへ。西武4位の東北福祉大・堀越啓太投手(22)が5日、宮城・仙台市内の同大で、水沢英樹チーフスカウト補佐、斉藤誠人スカウトから指名あいさつを受けた。
地元・埼玉に本拠地を置く西武がきっかけで野球を始めた少年は、非公式ながら最速164キロを誇る豪腕へと成長。「新人王」と「160キロ」を掲げた堀越が、決意を語った。
いざ新人王へ-。堀越の武器はなんと言っても磨き上げてきた160キロを超える直球。「ストレートの球速、球威、回転数にはすごく自信があります」と胸を張る。加えてフォークを始めとするキレ抜群の変化球も魅力だ。直近5年で西武から3人が新人王に輝いている。「誰にでも資格があるので、そこを目指したいです」と意気込んだ。
今年1月、堀越の投球を初めて見た斉藤スカウトは「衝撃的だった」と話す。その後、登板する試合を観戦。「将来的には誰も打てない、日本を代表するような選手になる」と確信した。今秋リーグ戦ではコンディション不良により登板がなかったが、評価は変わらず。「担当地区の他の選手もたくさん見ましたが、自分の中ではずっと1番で、変わらない選手でした」と、まさに一目ぼれだった。
堀越はこの4年間で先発から抑えまで、さまざまな場面で経験を積んできた。起用方法にも選択の幅が広がる。斉藤スカウトは「中継ぎで1番輝けるのではないか」と話す。「全てのポジションができるように練習してきたので、任されたところで必死に投げるだけです」と堀越。さらに、スタミナも魅力の1つ。「(連投は)全然苦ではないですし、そういうタフさはあります」ときっぱり。
西武は主力の今井達也と高橋光成がメジャー挑戦に意欲をみせている。今季は2人で計18勝を挙げており、抜ければ大きな穴となる。その不安の種を摘む存在に期待が高まる。「コントロールやゲームメーク力など、細かい課題を克服して入団を迎えたいです」。地元埼玉に花を添えるために-。名前を呼ばれた瞬間から、覚悟を胸に刻んだ。【木村有優】
