鹿島アントラーズのクラブアドバイザーを務める元ブラジル代表のジーコ氏（72）が5日、茨城・鹿嶋市内で取材に応じ、残り3試合となった優勝争いにおける重要な心構えを語った。
先月23日に来日したクラブのレジェンドは、前節敵地京都サンガF．C．戦を現地視察。0－1ビハインドから、試合終了間際の劇的同点弾で追いつき勝ち点1をもぎ取った内容を見守った。「選手たちは最後まで勇敢に戦った結果追いつけた。内容的にはフェアな結果になった」と振り返った。
残り3節で、2位柏レイソルとは勝ち点差1。横浜FC戦（8日、メルスタ）、東京ヴェルディ戦（30日、味スタ）、横浜F・マリノス戦（12月6日、メルスタ）を全勝すれば、文句なしで優勝をつかむ。その優位な状況をポジティブに捉えつつ、重要なポイントを明かした。
「この3試合は決定づける3試合だと自覚して臨まないといけない。1つのエネルギーも残すことなく出し尽くして、ミスを少なく、自分たちから油断して築き上げてきたものを形にできるか、取り逃すかは、細かいところが、結果を大きなものになる可能性もあるし、失う可能性もある。1つ1つのプレーが決定づける試合だと考えて試合に入ることが大事。この3カ月見ていて誰もが戦力になり得る。その中で選ばれた選手たちは決定づける3試合なので、後悔しないように全て出し尽くす覚悟で試合に臨んでもらえたら」
シーズン終盤の最重要局面で来日。クラブアドバイザーとしてチームに活力を与える。「何か植え付けるよりは一緒に寄り添っていって、何かを植えるよりは、育ててきたものを収穫するところ。最後の今だから何かをしなければいけないではなく、このまま続けて自信を持ってチームに対して自信を植え付けたり安定性を植え付けたり、最後一緒に歩んでいくところ。みんなで収穫できればなと思います」と最高の景色を思い描いた。
◆優勝の行方 勝ち点67の首位鹿島は最短で30日の37節で9季ぶりの優勝が決まる可能性がある。8日の36節横浜FC戦、30日の37節東京V戦に連勝して勝ち点を73に伸ばし、同66の2位柏が36、37節の2試合で勝ち点3以下なら、勝ち点差は4以上となり、1試合を残して鹿島の優勝が確定する。また、鹿島は今後2試合で1勝でも挙げれば、2位以下の結果次第で30日に優勝が決まる。一方、2位柏も2連勝し、鹿島が2試合で勝ち点1以下なら30日に柏の逆転優勝となる。
