
<東京6大学野球フレッシュトーナメント:東大9-8立大>◇A、Bブロック第2日◇4日◇神宮
東大の異端児が、反撃ののろしとなる一打で逆転勝利に貢献した。
スタンリー翔唯(かい)内野手(2年=早実)は5点を追う4回2死で右前打を放ち、続く打者の中堅越え二塁打で一気にホームに生還。死球を受けた5回に代走を送られ、ベンチから人一倍大声を張り上げ仲間を鼓舞した。9-8で立大撃破に貢献し「勝利を久々に味わえ、本当に心の底からうれしかった」と実感を込めた。
早実時代は1学年上の巨人2位早大・田和廉投手(4年)とともにプレーするも、自身は1度もメンバー入りすることなく引退した。内部進学した早大では将来を見据えて司法試験の予備試験をパスした。学業で大きな成果を出す一方で、野球への思いを捨てきれなかった。夢の実現のために資金援助を募る人気YouTube番組に出演し「東大野球部で活躍し大谷翔平を超えたい」とアピールした。仮面浪人に必要な約80万円の援助を受け、24年春に東大文科三類の試験に一発合格し硬式野球部に入った。
ワールドシリーズ連覇したドジャース大谷翔平投手(31)に野球一本ではかなわないが、東大生として総合力で勝負に挑む。12日には夏に受けた司法試験の結果が届く。現役部員での司法試験合格となれば史上初の快挙。学業でも、野球でも一切手を抜かないスタンリーが、リーグ戦56季連続最下位の同大に新たな風を起こす。【平山連】
