
<社会人野球日本選手権:ホンダ鈴鹿1-0JR西日本>◇4日◇1回戦◇京セラドーム大阪
ホンダ鈴鹿の井村勇介投手(28=至学館)が完全試合を達成した。日本選手権での完全試合は17年のJR東日本東北の西村祐太以来、2人目の快挙。「緊張はなかった。素直にうれしい。勝ったのでホッとしています」と喜んだ。
9回を投げきって99球で9奪三振。9回2死から27人目をカーブで三直に抑えると、ナインが駆け寄って祝福した。「終わった瞬間は、とりあえず全国で1勝したかったので、勝ち切れてホッとしたのが素直な気持ちです。記録はラッキーです」と笑った。
1人の走者も許さない快投だったが、「試合前からいい感じでした」と感覚は良かった。カーブとチェンジアップを軸に相手打線に仕事をさせなかった。「全部のボールが良かった」とカーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップを織り交ぜて的を絞らせず。「マウンド上では常に弱い姿は見せないようにしている。感情を見せずに淡々と投げるだけ」との信念で、この日も1人ずつアウトを積み重ねた。
試合後の取材では大勢の報道陣に囲まれ、「この状況を見てすごいなと思います」と記録の重みを実感。99球と省エネピッチングで「疲労もなくてびっくり」と驚いた。174センチの最速147キロ右腕が大記録を達成した。
