
日本一の次は、世界一だ! ソフトバンク松本裕樹投手(29)が3日、みずほペイペイドームで始動し、来春WBCメンバー入りへ意欲を示した。今季は「8回の男」としてフル回転し、自身初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手賞を獲得。15、16日に行われる「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本VS韓国」でのアピール投球を誓った。“侍モード”に気持ちを切り替え、例年より前倒しで準備に取りかかる。
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表情は冷静も、気持ちは高ぶっていた。松本裕は侍モードに切り替え、自身初の国際舞台へ視線を向けた。
「やるからにはちゃんとコンディションを整えてやらないといけない。しっかり準備していくしかない」
日本一の歓喜から4日後。長丁場のシーズンを終え、疲労も残っている。例年なら「完全に落としている時期」。日本シリーズから中3日。本拠地みずほペイペイドームで始動した。約4時間。ネットスローなどで汗を流した。6日からは宮崎での約1週間の侍合宿(12日まで)に初日から参加。前倒しで準備に取りかかり、来春WBCメンバー入りへアピールする覚悟でいる。15、16日には韓国との強化試合を予定。選考材料となる重要なマウンドだ。「本戦に選ばれるように」。過去に代表経験はない。日の丸を背負って戦うためにも、内容と結果を求める。
立ち位置、役割にはこだわらない。今季は「8回の男」として君臨。51試合に登板し、パ最多44ホールドポイントを挙げた。自身初のタイトルとなる最優秀中継ぎを獲得。阪神との日本シリーズでは第5戦に11回から登板した。1回を投げ無失点。1点リードを守り抜き、胴上げ投手となった。勝ちパターンが主戦場も、井端ジャパンでは必要とされる場所で全力で右腕を振っていく覚悟だ。「それはもちろん。やることは変わらないので」。チームの勝利のために、目の前の打者を打ち取っていくスタンスはぶれない。
「何度かそういう機会はあった」。シーズン中にWBC用の公式球でキャッチボールしたことも明かした。NPB球と比較し「質感はちょっと違うかな」。続けて「試合で投げてみないと分からないところではあるので。投げる前にいろいろ考えてもしょうがない。やれることだけやってどうなるか」と実戦の中で感触をフィットさせていく。小久保ホークスのリーグ連覇、日本一に貢献したセットアッパーが、次は世界一を目指し着々と調整を進めていく。【佐藤究】
