広島投手コーチに就任した石井弘寿氏（48）が3日、マツダスタジアムで就任会見を行った。赤いネクタイを巻き「カープのチームカラー、赤を自分の中に気持ちとともに赤く燃えている」と決意表明した。
95年に東京学館から入団したヤクルト一筋だった。最速155キロ左腕として02年には最最優秀中継ぎ投手に輝き、04年には日本代表としてアテネ五輪に出場。06年WBC日本代表にも選ばれた。通算339試合登板で27勝15敗11ホールド37セーブ。現役引退後の12年以降は、今季までヤクルトで投手コーチを務めた。
新天地に選んだ広島とは不思議な縁があった。プロ初登板、プロ初勝利、そして引退試合すべて広島戦。アテネ五輪では黒田球団アドバイザーとともに戦い、06年WBCでは新井監督とチームメートだった。「カープさんの熱い気持ち、熱心さがすごく伝わって来た。このチームで新井監督、選手たちと戦いたいなと思った。僕自身、すごく何か縁を感じています」。新井監督からの「カープを一緒に強くしてもらえないか」という言葉に首を横に振る理由はなかった。
広島は新井体制下で中継ぎ陣のブルペンでの球数を減少させるなど、徐々に成果が出ている。ヤクルト時代にブルペンの効率的な運用に携わってきた石井コーチは、一定期間を区切って中継ぎの球数や登板数を管理する重要性を説いた。「（勝ちパターンの）連投や球数が増えたら、次の日は何とか使わないようにしていくことも必要なことだと思います。勇気がいることではあるんですけど、投手陣自体の底上げになりますし、選手1人1人の自覚を持たせる意味でもそう。全員が勝ちパターンで投げられるようになっていくのが一番だなと思っています」。新井体制で進めるブルペン改革を加速させることが期待される。【前原淳】
