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山本由伸は世界一の投手だ!連投で連覇導いた伝説の34球「本当にやりきったから」笑顔になった


【写真】世界一を決め、MVPに選ばれたトロフィーを掲げる山本由伸

<ワールドシリーズ:ブルージェイズ4-5ドジャース>◇第7戦◇1日(日本時間2日)◇ロジャーズセンター

【トロント(カナダ・オンタリオ州)1日(日本時間2日)=斎藤庸裕】ドジャース山本由伸投手(27)が、伝説的な力投でチームを2連覇に導いた。ブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)第7戦で、同点の9回1死一、二塁から登板。6回96球を投げた前日からの連投で、延長11回まで無失点に抑えて胴上げ投手となった。今WS3勝0敗、防御率1・02で、日本人では09年松井秀喜(ヤンキース)以来2人目のMVPに輝いた。

   ◇   ◇   ◇

上を向いて目いっぱい、歓喜の雄たけびを決めた。両手でバンザイし、山本は無我夢中で帽子をとった。背後から抱きかかえられ、次から次へと仲間たちが飛びかかってきた。興奮と喜びでもみくちゃとなる中、自然とこぼれ落ちるものがあった。「涙出ましたね。すごく久しぶりに。もう、あふれてきました。すごくうれしかった」。先発した前夜から中0日。力を振り絞った。延長11回1死一、三塁から併殺打で劇的な決着。もはや、最後の1球の記憶は飛んでいた。

「もうほんとにね、信じられないというか、最後、何投げたかもちょっと思い出せないような、そういった興奮がありましたし、チームメートが自分のところに来てくれた時にはすごく、今までで一番ぐらいの喜びを感じました」

過去最高と思える至福の瞬間。「やっぱりやりきったから、今まで感じたことないような喜びも今、感じてますし、本当にやりきったからこそ、やってよかったなって」。王手をかけられていた第6戦、重圧の中で先発し、96球を投げ抜いた。肩の荷が下りたが、体調は万全ではなかった。翌日の救援待機はリスク承知の奥の手。だが「ブルペンにいるだけで、何か力になるならと思ったところが始まり」と、気力が勝った。

登板翌日、通常は室内調整で終えることがほとんどだが、決戦の試合前は軽めのキャッチボールで感覚を確かめた。球場内で湯船につかり、体を温めた。ただ、8回にブルペン投球を開始した時点では「まだ、投げられるっていう確信がなくて」と不安が残っていた。オリックス時代から師事する個人トレーナーの矢田修氏と投球動作を確認。徐々に体がほぐれ、いつの間にか無双する山本になった。「練習してみたらすごい感覚が良くて、なんか、ほんとになんだろ。気づいたらマウンドにいました」と、あっけらかんと笑った。

そんな純粋な笑顔が、周囲を引きつける。山本はよく笑い、自らを「ゲラ(笑い上戸)」と言う。一方で、チームの和を生み出すには笑うことが「大事だと思う」。近い球団関係者の1人は「彼は、いろんな人を救ってくれている」と、ポジティブなエネルギーをもたらしていると感心した。投手陣で唯一、シーズンを通して先発ローテを守り抜き、WSで3勝を挙げた連覇の立役者。試合後のセレモニーで、同僚からの賛辞は止まらなかった。

2年連続で頂点を勝ち取っても前向きに、上を目指す姿勢は変わらない。MVPに選ばれ、記者会見で言った。「限界を超えたっていう感覚はないですね。プロに入って、2日連続登板する経験は初めてだったんで、また1つ新しい、自分がいけるんだっていう自信になりました」。メジャー2年目、開幕投手から最後はWS胴上げ投手となった。伝説として、今後も語り継がれるであろう「由伸の34球」。華々しく、笑顔で、世界一の投手になった。

◆山本由伸(やまもと・よしのぶ)1998年(平10)8月17日、岡山県生まれ。都城では甲子園出場なし。16年ドラフト4位でオリックス入団。ノーヒットノーラン2度。21~23年に史上初めて3年連続4冠(勝利、勝率、奪三振、防御率)を達成し、3年連続沢村賞と最優秀選手。21年東京五輪、23年WBC優勝。23年オフにポスティングシステムでドジャースに移籍し、12年総額3億2500万ドル(約488億円)の大型契約を結んだ。178センチ、80キロ。右投げ右打ち。

◆ロサンゼルス・ドジャース 1890年にナ・リーグに参加。当初はニューヨークのブルックリンに本拠地を置き、47年に黒人初大リーガーのジャッキー・ロビンソンと契約。55年にワールドシリーズ初制覇。58年にロサンゼルス移転。日本人選手は95年に野茂英雄が初めて在籍した。リーグ優勝26度、ワールドシリーズ優勝9度。チーム名は、市民が路面電車を避けて歩いたことから「よける人」の意味。ロバーツ監督は沖縄出身で母親は日本人。

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