
第107回全国高校野球選手権(5日開幕、甲子園球場)の組み合わせ抽選会が3日、大阪・フェスティバルホールで行われた。新潟代表の中越(7年ぶり12度目)は大会第8日(12日)の第2試合(午前10時30分開始予定)、2回戦からの登場で、昨夏の甲子園準優勝の関東第一(東東京、2年連続10度目)と対戦する。2勝して3回戦に進出した94年以来の勝利を目指す。ナインはこの日、甲子園練習を午前10時から行った。
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窪田優智主将(3年)は堂々と言った。「強いチームとやれることがうれしい」。先に抽選を終えていた関東第一の隣に校名札が入ることが決まると、チームメートの笑顔や、こわばった表情がステージ上から見えた。昨夏の甲子園準優勝の強豪。「打力、投手力、守備力。総合的に力がある」。それでも気後れはない。「相手をよく見て状況判断をするのが自分たち。どんな相手でも関係なくやっていく」と培ってきた野球を貫く。
大会8日目と試合までの間が空くが、「時間が増えた。相手を知るために有効に使いながら勝てる準備をする」とプラスに捉える。抽選会前に行った甲子園練習で士気が高まっていた。「地に足をつけてプレーすることが勝利に近づくこと」。初めて踏み入れた大舞台。気分は高揚しがちだが、冷静さを保った。その流れで組み合わせの結果を受け止めた。
「準優勝校というよりも、ほぼ優勝校。日本一のレベル」。本田仁哉監督(48)は、延長10回タイブレークの末、1-2で京都国際に敗れた昨夏の決勝を念頭に関東第一をリスペクトした。その上で「選手には最大限の力を発揮してもらいたいし、発揮させたい」と話した。
試合前日の11日は本田監督の49歳の誕生日。02年に監督就任後、4度経験した甲子園で自身未勝利。選手にとって、94年以来31年ぶりのチームの勝利は、監督初白星という1日遅れのプレゼントになる。「誕生日に監督と一緒に過ごせるのは喜ばしい」と笑う窪田主将は「やってきたことに自信を持って戦う」と気を引き締めた。【斎藤慎一郎】
○…中越ナインが聖地の土を踏んだ。3日の午前10時から15分間、甲子園練習を行った。サイレンと同時にグラウンドに散ると、ノックを中心にしたメニューを消化。投球練習を行った左腕エース雨木天空(3年)は「エコスタ(ハードオフ新潟)よりも固くなくて投げやすかった」とマウンドの感触を味わった。直球を多めに投げ込み、「甲子園では真っすぐ主体でいきたい」と話した。