
アルビレックス新潟が2日、実戦さながらのバチバチモードで練習を行った。7月に柏レイソルから完全移籍で加入したボランチの白井永地(29)は気合のこもったディフェンスを見せながら、身ぶり手ぶりで味方に指示を出して広角にパスをさし込んだ。全体練習後には主将のDF堀米悠斗(30)、FW小野裕二(32)との青空会議に参加。チームが進むべき道を確認し合った。
J2降格圏脱出に向けて1分1秒も無駄にできない新潟は、反転攻勢へ「ガチンコモード」で練習を続ける。この日も、最終ラインから前進していく攻撃の組み立てや、フリーマン1人を入れた8対8のミニゲームで選手同士が激しく体をぶつけ合った。プレーが途切れれば互いに議論する。白井は大粒の汗を拭いながら、「サッカーは勝たないと面白くない。常に勝負にこだわってプレーしている」。練習から高い熱量を持って臨む。
最下位からの順位ジャンプアップに向け、全体練習後には堀米主将、小野と議論を展開した。「この状況をどう変えていくか。残留争いはパワーが必要。そのパワーをどう発揮していくかを改めて」。全ては新潟のために-。7月16日に柏から完全移籍で新加入したばかりだが、お客さまではない。
中盤の底で何度も首を振って周囲を確認しながら的確なタイミングでパスを届け、機を見たランニングで前線に飛び出して攻撃に厚みを出す。練習でもビルドアップの中継地点になりつつ、フィニッシュゾーンに顔を出すプレーを連発した。チームコンセプトや味方の特徴をつかむ段階ではあるが、「狙うべき場所を感じ取る能力が高い選手が多い。全員で共通認識を持てたらさらに良くなる」。リーグ戦再開に向け、いい手応えは感じている。
リーグ戦は残り14試合。残留に向け、ここからはよりプレッシャーがかかって来る。サッカーは人間が行うスポーツ。プロであってもミスをしたくない、負けたくないといったネガティブな感情が出て来る可能性はあるが、「1人1人がそこに打ち勝って行けるか。僕自身もこの状況になることを分かってここに来た。チームに自信を与えられる振る舞いを見せて行きたい」。もがく新潟をプレーで、姿勢で変えていく。【小林忠】