
<ヤクルト-阪神>◇2日◇神宮
阪神は前日1日、長期ロード初戦を延長戦の末に勝った。ナイターで行われる土曜、日曜の試合にはずみをつけた。
延長10回、佐藤輝明内野手(26)の勝ち越し二塁打が飛び出した際、藤川球児監督(44)がベンチの奥から最前列まで飛び出してきて、大きく叫んだ。珍しいシーンだった。神宮球場の記者席からはベンチの様子がよく見える。コーチ陣を含めた興奮ぶりが手に取るように伝わってきた。
監督の視線の先にいたのは佐藤輝。二塁に到達すると、これも珍しく声を振り絞るように吠(ほ)えていた。ネット上では「監督とテルのシンクロに震える」と感動の声が上がっていた。
藤川監督は「ゲームがある4時間ぐらいは本当に個人ではなく、チームで戦っている。本当に素晴らしい集中力」と選手たちをほめた。いい面も悪い面もあった長い試合の中で、最後に勝ち切るたくましさを感じていた。
長期ロードはあと22試合もある。目先の1勝に全力を尽くしながらも、俯瞰(ふかん)して進めていくのが藤川監督の得意とするところ。
「最初の1試合目が取れたのが大きい。明日から、選手のコンディションを一番大切にしなければいけない。それを中心にしながら」と付け加えた。あわてず、騒がず戦っていくことを、自分の肝に銘じるように語った。