
春夏通じて初出場の豊橋中央(愛知)が2日、甲子園練習を行った。
18年8月に就任した萩本将光監督(42)は、00年夏に中京大中京(愛知)の一員として出場。「25年ぶりに来ました。教え子を連れてくることは念願だった。わくわくして楽しみです」と語った。
今夏、エース高橋大喜地(だいきち)投手(3年)がピンチの場面で顎を突き出す姿が、アントニオ猪木さんに似ていると話題になった。指揮官は、昨春の大会を回想し「負けそうな試合で『表情を緩めなさい』と。笑顔だと表情をつくっちゃうので、(あの表情は本来)口角を上げたり、ニコニコする延長」と明かした。続けて、野球少年なら多くの人がマネしたイチロー氏の打撃ルーティンを重ね、「皆さん昔イチローさんのマネもしなかったですか? 趣向が違うだけで、彼にとっては一緒なんです」と解説した。
練習では、「わー!」「おー!」と声が飛び交う明るいムードで、監督考案の本塁打狙いの打撃練習を実施し、選手たちはスタンドインを連発。萩本監督は「個性派」ぞろいと称し日頃、「萩本軍団・野獣劇場」と施されたジャージーを愛用する元気いっぱいな集団だ。「選手が楽しそうだった」と5分延長したことを明かし、「強く振れば飛ぶ。飛ばないのは強く振れない証拠。うちは基本思い切り振れる体をつくってきた」と意気込んだ。
打倒私学4強(中京大中京、愛工大名電、東邦、享栄)を掲げる同校。今夏は、準決勝で愛工大名電、決勝では東邦と両試合を制して初優勝を飾った。「地元の方々にすごく応援してもらっている。その気持ちをいただいた。選手全員で地元の声援を受けて頑張りたい」。
県内から2校の代表を決める記念大会を除き、東三河地区からの出場は75年夏の国府(こう)以来、半世紀ぶりの出来事だ。