
<ヤクルト2-3阪神>◇1日◇神宮
阪神坂本誠志郎捕手(31)が守って打って、存在の大きさを改めて証明した。受けては先発伊藤将とのコンビで、7回まで1失点。制球が生命線の伊藤将に四隅に投げ切らせた。最も危険な4番村上からも2奪三振。司令塔として、しっかりゲームメークした。
台風9号の影響で不規則な風が吹きつけた。「アゲンストだった。この球場は狭いけど、森下の(大きい)打球が(柵越えに)行かなかったので、ある程度レフト方向はいいんじゃないかというイメージはありました」。
前日7月31日の広島戦(甲子園)は8試合ぶりの休養日。近年は梅野と併用が基本。だが、担当の投手が増えていき、今は「独占」状態に。前日は栄枝が伊原と組んだが、結果を出せずに敗れた。藤川監督は「戦うということに対して前向きじゃなかったように見えた」と厳しく指摘していた。その次の試合で、攻守にわたる貫禄を見せた。
打っては1-0の6回2死二塁。フルカウントから2番手の右サイド、小沢のスライダーにしぶとく手を伸ばし、中前に落とした。浅かったが小幡が本塁に突っ込んだ。「小幡がよく走ってくれたからこそ」と後輩を持ち上げた。
日々、研究を怠らない。日米のあらゆる捕手を動画で見て「できないものはできないけど、こういうスキルほしいな、とか」。坂本はドジャースのスミスに始まり、ラッチマン、リアルミュート…ら、メジャー一流捕手の名を挙げる。自分と違う打撃特化型でも守備型でも「気になりますね」。気分転換も兼ねて、貪欲にレベルアップにつなげている。
「ザキさんもいっぱい粘られて、点を取られてしまった。あのままズルズルいっていたらいやな中で、テルが打ってくれて、オヨも最後しっかり締めてくれてた。すごく大きい1勝だと思います」。“グラウンドの指揮官”にも手応えが残る長期ロード白星発進となった。【柏原誠】