
日本高野連は1日、令和7年度の第4回理事会を開催し、来春のシーズンインから高校野球に指名打者(DH)制を採用すると発表した。
この報に、西武の熊代聖人1軍外野守備走塁コーチ(36)は「投手に特化してる子が最近多いじゃないですか。そういう意味では投げることを優先にして、代わりに誰かが打席に立てるというのは、試合に出られる幅が広がるので。選択としてはありなんじゃないかなと」と感想を口にした。
熊代コーチは今治西(愛媛)時代、甲子園に3度出場した。3年生として迎えた07年夏は「エースで4番」としてベスト8入りの原動力になった。
「いやいや、誉れでしかないですよね」
そんな花形として甲子園のスターになった。新制度でどうなるか。投手が投手に専念すれば、投手能力をさらに高めることにつながるのだろうか。熊代コーチは考える。
「投手に特化した方が伸びるのかもしれません。でも個人的には、投手もやってるからバッティングが良くなることもあるし、僕個人ではそれを感じたのはあるので。結論としては、まだ難しいですかね。でも選択肢としてはいいことです。何にせよ、昔とは気温が10度くらい違うんでね。当時はエースで4番とか、全然できてましたけど。今だとどうなんかな」
そんな熊代コーチに「もしも」の質問を。もしも今、中学3年生で来年から高校野球やるなら、18年前と同じように投手も打者も両方やりたいですか?
「いやいやいや、両方やりますよ。もちろんですよ」
やっぱり、4番ピッチャーって楽しかったのだろうか-。
「楽しかったっすね~。やっぱり『4番、ピッチャー、熊代くん』とか言って出るの、気持ち良かったですもんね~」
甲子園風アクセントのアナウンスを再現しながら、ちょっとだけあの夏を思い出していた。【金子真仁】