
<阪神1-0広島>◇29日◇甲子園
ライバルたちの目の前で、阪神近本光司外野手(30)が2割9分でセ・リーグの打率トップに立った。前半戦最終戦の21日巨人戦(東京ドーム)以来のマルチ安打。1打席目の安打は、試合の勝敗を分ける一打となった。
初回、広島床田のストレートを捉えた打球が三遊間を襲う。名手の遊撃手・矢野も捕りきれず、打球は左前へ。続く中野の犠打と佐藤輝の四球で2死一、二塁と好機は広がり、大山の先制&決勝打につながった。
今季試合前まで対床田は15打数6安打の4割という相性のよさが、1打席目から結果になって表れた。2打席目も右前打を放った。「何投げてくるかわからないので、ストレートか変化球か。そのへんにどう対応するか。それは他の投手にも言えるんですけど」と好相性にも油断することなく、好球を見極めて決勝点につなげていった。
28日の時点でセの打率3位の近本より上位にいた広島小園、阪神中野が無安打に終わり、近本が抜け出した。チームも3連勝。後半戦2カード目の広島戦の初戦もしっかり取った。「そうですね。しっかりカード頭、週頭取れたので、明日もしっかり自分たちの野球をやりたいと思います」。チャンスを切り開いた1番打者は、次戦を見据えた。【堀まどか】