
<真夏のライラック:実践学園・新渡戸佑投手(3年)>
<高校野球東東京大会:関東第一2-0実践学園>◇26日◇準決勝◇神宮球場
離島・大島から来た実践学園の左腕エース新渡戸佑投手(3年)は、昨夏甲子園で準Vの関東第一を相手に奮闘した。初の聖地には届かなかったが「関東第一打線に攻めた投球ができたことは、自信になった」と充実した表情を浮かべた。
中学3年の時、大島二中のエースとして都大会に出場。結果は初戦敗退だったが、実践学園関係者の目に留まりスカウトされた。「野球で勝負したい」。強い決意で、島を離れた。
準々決勝では、強豪の堀越を相手に7安打1失点の完投。チームを史上初のベスト4進出に導いた。母美江子さん(54)は「すごい感動した」と息子の活躍を振り返る。この日は、両親と3人の兄が応援に駆け付け「みんなが守ってくれるから、思い切りやってほしい」と声援を送った。
8回5安打2失点の力投に「野球を理由に、島を出た。それだけの覚悟をもってやっていることを体現できた」と胸を張る。「野球で活躍したら、大島の活性化につながるかもしれない」。大学に進学し、自身のピッチングに磨きをかけるつもりだ。【山本佳央】