
<マイナビオールスターゲーム2025:全セ7-10全パ>◇第2戦◇24日◇横浜
獅子の両輪はさすがの、あうんの呼吸だった。
2回2死、予定通りに全パの2番手として西武隅田知一郎投手(25)はブルペンでリリーフカーに乗り込んだ。
乗り込んだけれど座らない。腕を組んで仁王立ち。マウンドへ向かう。
少ししたら、マウンド上の今井達也投手(27)と目が合った。「僕が仁王立ちしてる時点で笑ってたんで。あ、もうやってくれるなって」。後ろ体重で立っていた今井が、同じように仁王立ちした。
自主トレも同じ場所で行い、キャッチボールもいつも一緒だ。「いつもやってる、なんか、まぁ、プライベートな感じを」とのテーマで、あえて予告せずにどーんと仁王立ち。
「今井さんなら絶対に乗ってきてくれる」
そんな信頼関係があるから、仁王立ちでリリーフカーに揺られながらも別に緊張はしなかった。
投球練習を始めたら、今井は投手コーチごっこを始めた。アドリブ返し。にやにや。それもまた、あうんの呼吸だ。
初球には「アンダースローで投げよっかなー」と試合前にぼそっと予告していた。でも実際はサイドスロー止まり。
「ほんとはアンダースロー(のつもり)だったんですよ。でも沈み込んだら、きっとそのまま倒れてましたね」
年に一度のお祭りとはいえ、一朝一夕では難しいサブマリン。西武の先輩、与座海人投手(29)の尊さを感じながら、ハマの夜風に吹かれた。【金子真仁】