
<マイナビオールスターゲーム2025:全セ7-10全パ>◇第2戦◇24日◇横浜
全パの日本ハム清宮幸太郎内野手(26)が、「マイナビオールスターゲーム2025」の第2戦(横浜)で球宴2度目のMVPに輝いた。1回無死一塁、左前打を放つと、2回2死一塁に適時二塁打。仕上げは4回2死、右翼席上段に豪快ソロを運んだ。3安打2打点1本塁打と、残るは三塁打のみの“サイクル安打王手”の活躍ぶりで、サヨナラ弾を放った22年以来3年ぶりに球宴MVPを受賞した。複数回の受賞は球団では張本勲(60年と62年と74年)以来2人目となった。
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横浜の夜空に、清宮幸が花火をかち上げた。4回2死、全セの巨人グリフィンの直球を右翼席上段に軽々と運んだ。「(本塁打は)ぶりぶり狙ってました。完璧でした。ホームランダービーのイメージで打席に入っていました」と、狙い澄ました一打をかっ飛ばした。球宴ではサヨナラ弾を放った22年以来、3年ぶりの2号アーチを決めた。
3打席目にして、あとは三塁打を残す“サイクル王手”。「どんな当たりでも三塁に行きたい」と19年阪神近本以来となる6年ぶりの大記録へ意欲満々だったが、力が入りすぎたのか、2打席連続でフライアウト。「持ってないなと。打ちたかったです」と悔しさをにじませた。
それでも3安打2打点1本塁打。22年以来2度目の出場で2度目のMVPを獲得した。球宴MVPの複数受賞は張本勲以来、球団では2人目。“令和のお祭り男”となったスラッガーは「2回出て2回MVPはめったにない。ラッキーだなと思います」とかみしめた。
初栄冠を逃した悔しさも力になった。前夜に京セラドーム大阪でのホームランダービーで決勝進出を決め、満を持して横浜に乗り込んだ。右翼ポール付近から日産のスポーツカー、フェアレディーZの助手席に乗ってド派手に登場。先攻で6本塁打をかっとばしたが、DeNA牧に優勝をさらわれた。「牧さんに負けちゃったので何とか試合で取り返したかった」と奮起した。
打順は慣れ親しんだ2番。第1戦と同様、日本ハム新庄監督が持ち込んだ「ガラポン抽選器」で自ら引き当てた。「ガラガラポンで2番を引いたおかげ」と、オールスターならではの激レアイベントも力に変えた。
26日からは、首位を走る日本ハムでのリーグ戦が再開する。「これからも面白くなってくる季節。今日のようなホームランを見せられるようにやっていきたい」。祭りのあとの真剣勝負でも、野球界を盛り上げていく。【小早川宗一郎】
▼清宮幸が本塁打を含む3安打でMVP。清宮幸のMVPは初出場でサヨナラ弾を放った22年第1戦以来2度目。MVPを複数回受賞は柳田(ソフトバンク=14年第2戦、22年第2戦、23年第1戦)以来で、球団では張本(60年第3戦、62年第2戦、74年第3戦)に次いで2人目。清宮幸は今年が2度目の球宴だが、初出場から2回続けてMVPは86、87年清原(西武)以来38年ぶり。清原は新人の86年第2戦に同点弾、87年第3戦では桑田(巨人)から先制2ランで連続受賞。清原は歴代最多の7度MVPを獲得したが、清宮幸はどこまで迫れるか。