
<ドジャース4-3ツインズ>◇23日(日本時間24日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)23日(日本時間24日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、球団タイ記録となる5試合連続アーチで本塁打数のナ・リーグ単独トップに立った。ツインズ戦に「2番DH」で出場し、4打数1安打。第1打席で中堅左へ37号先制ソロ本塁打を放った。5戦連発は球団史上7人目のタイ記録。1点を追う第5打席では2死一塁から敬遠され、逆転サヨナラのホームを踏んだ。なお、次回登板は30日(同31日)の敵地シンシナティでのレッズ戦となった。
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大谷の推進力が、チームの奇跡を生んだのかもしれない。試合後、中継局のインタビューで言った。
「最後に2アウトから逆転できるのは、まだまだ底力がある証拠かなと思うので、ロード(遠征)に出る前に良い勝ち方ができて良かったと思います」
5戦連発の1本目が出た19日、ロバーツ監督は大谷の姿勢を評価していた。「チーム状態を意識して、この状況をなんとか乗り越えさせようとしているように感じる」。
前日の試合でも敗色濃厚のムードでベンチの雰囲気を変えた。5-10の9回に2ラン。追い上げ及ばずに敗れたが、翌日のこの日も先頭弾で勢いを継続。連日の勝ち気が最後に通じた。
9回2死、1番ベッツは2ストライクからハーフスイング。空振りと判定されれば試合終了だったが、ギリギリでノースイングとなった。6球目のボール球に食らいつき、泥臭い三塁内野安打で出塁した。土壇場で、紙一重の差から始まった奇跡の逆転。大谷の不屈の気迫が、苦しむド軍を押し上げたように見えた。
▼ドジャース大谷が日本人初、メジャーでは昨年のジャッジ(ヤンキース)以来の5試合連続本塁打。ドジャースでは50年キャンパネラ、01年グリーン、10年ケンプ、15年A・ゴンザレス、15年ピーダーソン、19年マンシーと並び、6年ぶり7人目の球団最長記録。大谷は日本では16年5月に5試合連発を記録していた。メジャー最長はグリフィーら3人の8試合連続。
▼大谷は5本連続で中堅から左方向への本塁打。5本以上の連続は23年7月8~27日の7本連続以来2年ぶり。オプタスタッツによると5試合連続本塁打と5試合連続盗塁を記録した左打者は1901年以降で初めて。昨年9月18~22日に5試合連続盗塁していた。
▼大谷は1点を追う9回2死一塁から申告敬遠され、2死満塁から二塁走者として決勝のホームを踏んだ。大谷は一塁に走者がいて敬遠されたのは5度目。過去4度はすべて一、三塁だった。オプタスタッツによると、敬遠が公式記録となった55年以降、あと1死で敗戦となる状況かつ得点圏に走者がいないケースで敬遠された後、決勝のホームを踏んだ選手は史上初。
▼大谷はメジャー通算262号。ESPNによると、デビューから8年目以内ではフランク・ロビンソンと並ぶ歴代10位となった。9位はテッド・ウィリアムズの265本。1位はラルフ・カイナーの329本。