
<高校野球兵庫大会:小野4-3三田学園>◇24日◇準々決勝◇ほっともっとフィールド神戸
兵庫屈指の公立進学校が劇的なサヨナラ勝ちを飾り、4強一番乗りを果たした。
9回表、あと1アウトで勝利が決まる状況から、連続適時打で逆転を許した。それでも、小野ナインの闘志は消えていなかった。
後続を断ち、1点を追う9回裏の攻撃。安打と四球で2死満塁のチャンスを作ると、代打の松井敬悟外野手(2年)がサヨナラの2点適時打を放ち、シーソーゲームに終止符を打った。
本山翔投手(3年)は「辛いときも諦めなかったから野球の神様が振り向いてくれたのだと思う」と目をうるませた。春の県大会は初戦敗退。「それまではできていたことも全く発揮できなかった」。以降、春の主力メンバーは素振りや走り込みばかりで、練習試合にも出られない状況が続いた。「本当に悔しかった」という経験を力に変え、5回戦、準々決勝は2戦連続の逆転勝ちだ。
この勝利で史上初の4強入り(第100回の西兵庫大会4強を除く)。「今日は野手に助けられた。勝ったことで次も試合ができるので、恩返ししたい」と意気込んだ本山。主将として、エースとして、小野に新たな歴史を刻む。
◆本山翔(もとやま・しょう) 2007年(平19)年11月3日生まれ。兵庫県加東市出身。小学4年から米田少年野球クラブで野球を始め、社中では軟式野球部でプレーした。変化球はツーシーム、スライダー、フォークで最速は137キロ。172センチ、65キロ。右投げ右打ち。憧れの選手は巨人戸郷翔征。