
<明治安田J1:東京V0-1町田>◇20日◇第24節◇味スタ
FC町田ゼルビアDF菊池流帆(28)が攻守の主役になった。
後半18分、DF林幸多郎のロングスローを起点に、ゴール前混線での競り合いからこぼれた浮き球。フリーとなって突如現れるや、右足ボレーでたたきつけた。大きく弾んだボールがゴール右隅に飛び込み、値千金の決勝点となった。
守っては闘志をあらわにしたシュートブロックで全力で体を張り続けた。終わってみれば文句なしの攻守の主役だった。
前節清水エスパルス戦に続く2試合連続のゴール。「初めての経験」という菊池は「たまたまッス、キャプテン翼っす。あの瞬間、1人だったので無意識であーなった。たまたまた(マークが)いなかった。それだけっす」と持ち前の明るさも絡めて振り返った。
試合は東京Vのペースで進み、前半にはFW染野唯月が3度の決定機。うち1本はフリーとなっていただけに「あれを決められていたら負けてましたね。(東京Vは)想像以上に強かったですね」。
ワンチャンスを生かし、負けゲームを勝ち点3に変えてみせた。黒田監督の言葉を借りるなら、勝負強さを表現できるようになった。
菊池は「ボールが取れていなかったし、チーム(町田)も緩い雰囲気だったので、自分が先頭に立たなきゃという感じだった。内容的には完敗だったので試合に勝てたのは自信になる。優勝するチームはそういうゲームを物にできる。運が傾いてきている」と手応えを口にした。
これでチームは5連勝で6位に浮上。首位神戸とも勝ち点6差だけ優勝戦線も視野に入ってきた。