
<ドジャース7-8ブルワーズ>◇19日(日本時間20日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)19日(日本時間20日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)の後半戦初アーチは空砲となった。ブルワーズ戦に「1番DH」で出場し、5打数2安打。特大の33号本塁打と左前適時打をマークし、3打点で打線をけん引したが、チームは競り負けた。一方で、ナ・リーグの本塁打王争いが激化。ダイヤモンドバックスのユジニオ・スアレス内野手(34)が1試合2発。一時は抜かれたが、大谷がすぐに追いついた。また、フィリーズのカイル・シュワバー外野手(32)も32号を放ち、混戦模様となってきた。
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大谷はダイヤモンドを回りながら、気を引き締めているようだった。4点先制された直後の3回、無死一塁から右腕ペラルタの初球チェンジアップを完璧に捉えた。左中間へ運ぶ特大弾。飛距離は今季自己最長タイの約137メートルだった。反撃ムードを高める一撃に、ロバーツ監督は「彼はよくやっている。我々のチーム状態を意識して、この状況をなんとか乗り越えさせようとしているように感じる。いい打席を続けているし、よく闘っている」と称賛した。
相手の必殺球を仕留めるのが、大谷の強みでもある。好投手ペラルタは今季ここまで、チェンジアップの被本塁打はゼロ。昨年もシーズン通じて1本しか打たれていない“魔球”だった。第1打席で大谷は同球種を豪快に空振りしたが、第2打席で狙い打ちかのようにフルスイング。ロバーツ監督は「全体的に見て非常にいい打席だった。集中力もさらに高まっていて、チーム全体を引っ張ろうとしていると思う」と語った。
その姿勢は、行動にも表れていた。本塁打を放つ前も、その打席の後も三塁側のベンチで構えをチェック。ホームベースに一番近い場所に陣取るロバーツ監督の後ろで、何度も構えた。バットは手に持たず、下に置いて両足のスタンスを入念にチェック。同僚から本塁打の祝福でグータッチを求められると、それに応答しながら確認作業を続行するほど、ベンチ内で“ゾーン”に入っていた。
大谷の3打点で追い上げたものの、チームは1点差で競り負け、今季ブルワーズに5連敗。西地区では2位パドレスと4・5ゲーム差で首位をキープするが、7月は5勝9敗と波に乗れない。また、個人タイトルではリーグ本塁打王争いが激化。ド軍より先に試合を終えたダイヤモンドバックスのスアレスが2発で一時は抜かれたが、大谷がすかさず応戦し、キングの座は譲らず。フィリーズのシュワバーも32号を放って猛追。後半戦に入り、トップをかけた争いがヒートアップしてきた。