
マリナーズなどで活躍し、日本人で初めて米国野球殿堂入りしたイチロー氏(51=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が18日、ニューヨーク州クーパーズタウンでの表彰式典を27日に控え、オンライン会見を行った。「楽しみにしてるんですが、もちろん緊張もします。僕は、基本的に人前で話す時はとても緊張するタイプなので間違いなく緊張する」と心境を語った。
現役時代から、殿堂には何度も足を運んできた。「歴史を踏んで、今の我々があるということを知っておかなきゃいけない。感謝を伝えたい。僕自身がその気持ちを示したい。先輩が後輩に伝えていくという義務はあると思う」。殿堂入りは日本のみならず、アジア出身者で初となるが、先人たちが足場を固めてくれたからこそと自覚している。
父宣之さん(82)への感謝も口にした。「小学生の4年間、毎日練習に付き合ってくれた。その4年間なくしては僕の基礎は作られなかったと思う。自営業であったことが僕にとってラッキーでした。サラリーマンではできなかったと思うので」。放課後、二人三脚で練習してきたことが、日米通算4367安打の金字塔につながった。
引退後も練習を継続。8月には帰国し、女子高校生の選抜チームと対戦する。「体作りが思うように進んでないことを心配しています」と、式典でクーパーズタウンを訪れている間も、同時に殿堂入りするサバシア氏、ワグナー氏らとのゴルフをキャンセルしてまで練習を行う予定。独自の哲学を貫き、唯一無二の道を進む。