
日本ハムの投打二刀流ルーキー柴田獅子投手(19)が15日、ルーキーイヤーの前半戦を振り返った。イースタン・リーグのヤクルト戦(鎌ケ谷)が雨天中止となり、取材対応。フレッシュ球宴まで残り2試合となった同リーグで、投手として8試合登板で勝ち負けなしの防御率2・31、打者として33試合出場で打率1割6分1厘、2本塁打、13打点を「本当に100点に近いぐらい楽しい」と自己採点した。後半戦は「(投打は)全然どっちでも良い」と初昇格を目標に掲げた。
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打者・柴田は前半戦で飛躍のポイントを発見した。「ホームランを打った時です」。6月28日DeNA戦で放ったプロ1号アーチで、理想のスイングが「もうほぼ見つかった」。投球に対してスイング軌道は真っすぐ。ボールの下側からたたくイメージが「僕の捉え方」だ。
コツは「ダウンスイングの意識」。それまでは打球角度を上げようとしてアッパースイングになり、ボールを点で捉える形になっていた。そうならないために「ダウンスイングを意識したら、周りから見たら(スイング軌道は)平行」。イメージとのギャップを埋める方法が見つかり、結果も徐々に出始めた。
「バッターに関しては、ほんと初心者なんで」と言う。高校時代も投手優先。プロ入りを機に自分の打撃を本格的に探し始めたが、当初から「タイミングが全部そろってるからこそホームランが出る。ホームランが出たら、それが一番いい打ち方だろうなと思っていた」。シーズン序盤は苦しみながらも「今は打者の方が楽しい。あとは体を鍛えるだけです」。パワーアップしながら前に進む。
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投手・柴田は鮮烈デビューだった。初登板は4月20日オイシックス戦。先発で1回無失点、3奪三振。「最初からスタートが良かった。そこから課題とかいろいろ見つけながらやって」と、計11回2/3を投げて16奪三振。直球とスライダー、フォークの3球種で奪三振率12・34をマークするが「ピッチャーはまだバッティングほどのものは、見つかっていないです。(実力的には)アベレージっていうところでずっと来てた感じ」と振り返る。
打者でつかんだ技術的な進歩は感じなくても、順調に経験を積んだ。福岡大大濠時代は149キロだった最速も153キロへアップ。「イニングも全て少ないので、とりあえず球速と変化球をゾーンに投げるところをやっていった。あとは1軍で投げる時に、どんな反応されるかで課題が出てくる」と考えている。
将来像は「完封、完投を波なくできる投手が一番いい。達さんみたいな感じ」と、デビューから7連勝と無双中の先輩右腕のような姿。後半戦は「ケガなく(状態が)良ければ」と徐々にイニングや球数も伸ばすことが目標だ。【木下大輔】