＜高校野球新潟大会：巻8－3新潟西＞13日◇2回戦◇三条パール金属スタジアム
新潟西のスーパールーキー、2番稲葉広（ひろ）遊撃手（1年）が、5打数4安打と大暴れした。試合は終盤に突き放され3－8で敗れたが、抜群の存在感を示した。
小針中では県選抜でもプレー。県内6校から推薦が届いた逸材は、同校OBの兄、成さんの助言と練習環境の良さから新潟西に進学した。入学してまだ4カ月目。「軟式からボールが変わったので変化球への対応が難しいし、遠くへ飛ばなくなった」といいながら、元西武松井稼頭央氏（49）のようにヒットを広角に打ち分けた。
守備もピカイチ。中盤に足がつりかけたが、華麗なグラブさばきでアウトを重ねた。自由参加の朝の自主練習は毎日参加し、守備強化に時間を割く。同じ遊撃手で手本とする菖蒲谷和真主将（3年）はケガの影響で一塁の守備についた。「蹴落とすライバルではなく高め合う関係をつくってくれた尊敬できる人。いろいろなことを教えてくれた」。この日、4度のゴロをさばき、感謝を込めて一塁の菖蒲谷主将に送球した。
試合後、涙を流した3年生の姿を目に焼けつけた。「1年生だが、自分が引っ張っていく覚悟で練習に臨む。西高に来たことが間違いではなかったと証明したい」と誓う。身長172センチで、体重は59キロ。「大学でトレーナーを目指している兄に筋トレのメニューを組んでもらい、これから冬にかけて体をデカくしていきたい」。伸びしろいっぱいの1年生。歩みを止めず、チームを勝たせる選手になる。【小林忠】
◆稲葉広（いなば・ひろ）2009年（平21）6月9日生まれ。小針小1年でマウント小針に入団して野球を開始。小針中から新潟西へ入学。172センチ、59キロ。右投げ左打ち。
