
<高校野球和歌山大会:星林6-5和歌山東>◇12日◇2回戦◇紀三井寺公園野
ソフトバンク小久保裕紀監督(53)の母校・星林(和歌山)が初戦を突破した。
先発則藤(のりふじ)瑞起投手(3年)は1回から自己最速145キロをたたき出した。「最後までいきたかった」と悔しがったが、足がつるアクシデントがありながらも、要所を押さえる投球で和歌山東の強力打線を9回途中7安打4失点と踏ん張った。
星林はソフトバンク小久保監督の母校として知られる。大会前には小久保監督から辻知幸監督(49)に連絡があった。「がんばれよ」という激励とともに「(現ソフトバンクホークスで和歌山東出身の)津森のところに負けるなよ」と伝えられた。試合後辻監督は「津森のチームに勝ちましたと報告したいです」と笑った。
和歌山大会にはパ・リーグ指揮官の母校が3校もある。小久保監督の星林を始め、ロッテ吉井監督の母校で春夏17度甲子園出場の箕島、そして春夏7度出場で西武西口監督の出身校・和歌山商だ。いずれも高校野球ファンなら知っている名門だけにプロ野球選手を輩出していることは不思議ではないが、現役の同一リーグ監督3人の母校が1県に集まることは珍しい。
星林は今春の県大会で準優勝に輝くなど実力を証明した。次戦は昨春センバツ出場の耐久と対戦する。田中代地主将(3年)は「強豪校なので慢心せずにやっていきたい」と静かに闘志を燃やした。激戦のパ・リーグに負けない。熱い戦いを和歌山の球児たちが繰り広げる。【佐藤奨真】
◆星林(せいりん)1948年(昭23)創立の県立校。野球部の創部は48年で部員数は選手22人。甲子園は春と夏それぞれ2回ずつ出場している。最後の出場は1990年の夏で3回戦まで進んだ。
和歌山東 昨秋県大会で準優勝した実力校が初戦で姿を消した。6ー1と点差がついて迎えた9回に4連打を含む5安打の猛攻で4点を返すもあと1歩及ばず。主将の魚田航大郎捕手(3年)は「甲子園を目指してやってきた。悔しいけど、ついてきてくれた仲間にありがとうと伝えたい」と涙を流した。