
<高校野球兵庫大会:姫路南9-2神戸北・伊川谷北・神戸学園都市(7回コールド)>◇5日◇1回戦◇明石トーカロ球場
神戸北・伊川谷北・神戸学園都市/羽村優志(ゆうじ)投手(3年)
神戸北の羽村は連合チームの主将として最後まで戦い抜いた。「やるべきことは全部やれた」。初戦敗退もすがすがしかった。
昨夏、神戸北は単独チームとして出場し、シード校にも勝利。だが学校再編で新入生がおらず、昨秋連合チームが結成された。環境が大きく変化したことで、普段の練習にも影響があった。合同練習は土日のみで、戦略面でも学校間で浸透度の違いが発生。神戸北部員の士気が下がり、当時2年の部員5人全員が退部届を提出しようとしていた。
約3週間、練習を欠席。福本友貴監督(39)から懸命に説得された。「このまま逃げたらあかん」。その言葉で仲間の今後を思い、全員の退部届を破って監督のもとへ向かった。
絶対逃げない。この試合でも強い気持ちが表れた。3回途中に腰に痛みが走り、力が入らなくなった。4失点で無念の途中降板。「ベンチに下がるつもりはなかった。ここで下がったら後悔する」。痛みを堪えて右翼に就き、最後までグラウンドに立ち続けた。
最後の夏が終わった。周りのサポートへの感謝を何度も口にし、次のステージに向かう決意を明かした。「諦めない気持ちは、絶対生きてくる」。【溝淵千夏】