
<ヤクルト0-2阪神>◇28日◇神宮
ニクいぜ! 阪神中野拓夢内野手が3安打で29歳の誕生日を飾った。初回に名前がアナウンスされると、球場左側を埋めた東都の虎党が大声量でバースデーソングを合唱。「なかなか聴けるものではない。球場全体がそういう雰囲気をつくってくれた。バッテリーも少し待ってくれて、最後まで聴けたので、気持ちよく打席に入れました。歌ってもらったあとに打てたのは気分がいいです」。感謝を示すように右前打で応え、再び大歓声を浴びた。
3回は2死から左中間に二塁打。7回も2死から左前打。チャンスメーク役を3回もこなした。今季8度目の固め打ちで打率も3割1分2厘の2位に再浮上。トップの広島ファビアンに2厘差で、首位打者を射程にとらえた。犠打など2番の役割は多岐にわたる中での好成績。「数字を気にするとよくない。毎打席、やるべきことをやっている結果。頭を整理して打席に入りたい」と冷静だった。
守備&走塁での貢献も見逃せない。7回には11個目の盗塁も決め、二塁守備では7回無死一塁からオスナの一、二塁間寄りの打球に追いつき、二-遊-一の併殺を奪った。最終回も俊足並木を内野安打にさせない、機敏な処理で沸かせた。
「久しぶりに誕生日にいい結果が出たかな。いい思い出になったし、29歳の1試合目なので、いいスタートを切れてよかった」。22日のソフトバンク戦で頭部死球を受けて心配されたが、復帰2戦目も走攻守に元気ハツラツ。あらゆる面で重要な仕事を果たす充実の29歳。阪神の「心臓」のような存在だ。【柏原誠】