
交流戦を終え、西武は37勝31敗の貯金6で27日、リーグ戦再開を迎える。
交流戦は10勝8敗で勝ち越すも、18試合で40得点。1試合平均2得点少々だ。
だからこそ西口文也監督(52)も脚色せずに言う。「うちは先発投手がゲームをつくり、守って、少ない点数で勝つ」。再建1年目。今季はこの戦い方を貫き、若獅子を強くする。
とはいえエースの今井達也投手(27)は「このままいけば優勝も全然可能な位置にいる」と思いを強くする。だからこそ、この“再開”は極めて大事だ。
27日から日本ハム3連戦。本拠地ベルーナドームで迎えうつ。ペナントレース開幕と同じ構図だ。当時は3連敗した。リベンジか。
西口監督に26日、本拠地の薄暗いバックヤードで階段を上りながら尋ねた。
「いやいや、リベンジとかそういうことは思ってないですけど」
言葉はそこで切れない。
「交流戦明けのこの3つ、まずハム、そしてオリックス、ソフトバンク」
チーム名を区切りながら、少しずつ声をクレッシェンドさせながら言う。
「上位と当たるんで。この3、4、5、6、7、8試合っていうのはね、非常に大事にはなってくると思っています」
あまり相手球団をターゲットにするようなコメントはしてなかった監督だ。階段を上る呼吸に、強い決意が混じる。
登板間隔の問題もあるとはいえ、今井と隅田の2枚看板に、この8試合のうち4試合を任せる先発ローテーションに再編した。
ただ、この8試合では終わらない。1日の休養を挟み、そこからは今季初の7連戦。先発投手が7人、必要になる。
幸いここまで今井、隅田、高橋、渡辺、与座、武内、菅井と7人の先発投手を、登録抹消を活用しながら回している。この7人を並べれば対応できるし、2軍では松本やボーも球威を高めて備えている。
一方で同様に、リリーフ陣もここまで無理な連投はさせずに来た。初の7連戦でどう対応していくか。ここまでいわゆる「必勝リレー」の投手は、ビハインドではほとんど投げさせていない。方針は貫くのか、変えるのか。増員しての対応になるのか。首脳陣の手腕が問われる。
上位との8試合+7連戦=15試合。暑さは増し、沖縄での試合もある。シーズンの折り返し地点を挟む“峠”のような15試合だ。
もちろん目標は山頂だが、道中ではかなりしんどい中盤の難関。ここを8勝以上で乗り切れれば、エースの言葉もいよいよ絵空事ではなくなってくる。【金子真仁】