【ロサンゼルス（米カリフォルニア州）17日（日本時間18日）＝斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手（30）が、22年9月7日以来3年ぶりの1試合4三振を喫した。パドレス戦に「1番DH」で出場し、4打数無安打。投打の二刀流で復帰した翌日は、快音が響かなかった。3回の第2打席では右太もも付近に死球を受けたことで、両軍に審判団が警告。これにロバーツ監督が激高し、今季初の退場となった。同地区のライバル同士の対戦は、前日に続き、不穏な空気が漂った。
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大谷が声を上げた。3回裏1死、パドレスの先発右腕バスケスの1ボールからの2球目が体に向かってきた。避けられず、右太もも付近を直撃。投打の二刀流として電撃復帰した翌日、張りが残っているであろう下半身に93・8マイル（約151キロ）の直球が当たった。球場からブーイングが起こり、ざわつく中、審判団が内野のフィールド上に集合。この日2つ目の死球で、両軍に警告が与えられた。
ロバーツ監督が即座に反応した。「なぜだ？」とのジェスチャーを交え、激高。審判と口論になり、退場を宣告された。試合後、「両チームへの警告は正当ではなかった。私はただ、なぜなのか、審判団の説明を聞きたかった。マイク（パドレスのシルト監督）も説明を求めにいったが、彼は退場していない。一貫性がない」と、納得のいかない様子で断じた。
両軍に漂った不穏な空気には、伏線があった。前日の4回、死球を受けたパヘスが先発右腕シースをにらんだ。あわや一触即発の状況で、大谷もベンチ前に出てきた。その時は結局、何も起こらずに事態は収まった。翌日、3回表にパ軍のタティス、その裏の攻撃で大谷が死球を受けた。ともに主軸として、チームを背負うスター選手。報復合戦と受け取られてもおかしくない死球の応酬となった。
同地区のライバル同士の対戦。昨秋の地区シリーズ中にはパ軍マチャドがイニング間にド軍ベンチへボールを投げ入れるという“騒動”も起きている。因縁含みの両軍だが、ロバーツ監督は、ド軍側は報復ではないと強調した。「タティスに当ててしまったが、あれは故意ではなかった。その後、（無死一、二塁となって）中軸に回ることを考えれば、あの場面で塁には出したくない」と主張。一方で、「ショウヘイは走者なしの状況で、バスケスが1球目を（内角に）投げてから再び（内角に）投げ、足に当てた。私は故意だと思う」との見解を示した。
大谷は死球直後、一塁では笑顔も見せた。元気にプレーを続けるも、約3年ぶりの1試合4三振。それでも、チームは競り勝ち、4連勝で首位を走る。4連戦の残り2試合も、にらみ合いが続きそうだ。
▼大谷の1試合4三振は自己最多タイ。日本時代には15年に1度あり、大リーグではエンゼルス時代の22年9月7日タイガース戦以来、3年ぶり5度目となった。これで大リーグ通算三振は1002個。日本人ではイチロー（1080個）に次ぎ2人目の1000三振を記録した。
