
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム3-1ヤクルト>◇10日◇エスコンフィールド
北海道移転初年度の開幕戦の日に生まれた日本ハム達孝太投手(21)が、球団の移転後1500勝を7回無失点の好投で飾った。
ダルビッシュ、大谷の系譜を受け継ぐ21年ドラフト1位右腕が、「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦で今季3勝目。メモリアル勝利で、チームは交流戦3カード目で初めて初戦を勝利した。
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次代を担う若武者が、大きな1勝を呼び込んだ。球団が北海道で第一歩を踏み出した日に産声をあげた達が、7回7安打6奪三振の快投。「生まれた日にファイターズが初めて北海道で試合をしたと聞いていた。節目の1500勝(の試合)に勝てたのはうれしかったし、勝てる気しかしなかった」。滋賀からは祖父母も観戦に訪れており「フェリーに乗って来ていたので、勝てて良かった」と喜んだ。
2回2死から急に制球が乱れ、内山に四球を与えたが動じなかった。「真っすぐを投げるときの(体の)開きが早かったので、ちょっとグラブを横に出すイメージで。ダル(ビッシュ)さんのフォームをまねした感じ。うまく修正できた」。移転後のレジェンドを手本にした修正で、3回から7回まで無四球と立て直した。
新庄監督は昨季、伏見が2軍で再調整する期間に、達の投球テンポを上げるようミッションを与えていた。伏見は「去年、監督に言われていたことが、今年につながったのかなと思います」。移転当時、江別第一中2年だった道産子捕手のリードも、節目の勝利をお膳立てした。
自己最多には1球及ばない113球。達は「6三振ですか…最低イニング数は取りたかったので納得はいっていないです」と反省も忘れない。前回登板後に口にした目標を再び掲げ「次は完封したい」。新庄監督は17日からの巨人3連戦(東京ドーム)で先発させることを明かし、「バッティングは悪いらしいですけど(笑い)。ちょっとジャイアンツはパワー系が弱いんで、どうかなぁと。今日みたいなピッチングをしてくれるでしょ」と期待した。【永野高輔】