
ソフトバンク王貞治球団会長(85)が一文字に思いを込めた。3日に89歳で死去した巨人長嶋茂雄終身名誉監督の告別式が8日に都内の桐ケ谷斎場で執り行われ、王会長が弔辞を読み上げた。
「長嶋さん、ありがとうございました。あなたとの六十有余年、私にとっては忘れることのできない貴重な年月でした。感謝するしかありません。89年間、よくぞ頑張ってくれました。日本人のために頑張ってくれました。ありがとうございました。安らかにお眠りいただくことを願うのみです。『長島茂雄』に戻ってゆっくりとお眠りください。さようなら」
最後の一文はこう締められた。「嶋」ではなく「島」。戸籍上は「長島」となっており、一個人に戻って下さいとの思いがあった。
告別式後には「こういうふうな形で別れるというのはね、思いもしなかったですから。やっぱり、どっかしらに、お互いに動いていて。それぞれの動きを感じていましたからね。やっぱり長嶋さんは、やっぱり特別な人で、日本の野球界だけじゃなくて、日本そのものに、なくてはならない人でしたからね」と回顧。「長嶋さんなりにはやっぱり苦悩もあったと思うんですけれど、それを見せませんでしたからね。我々にはね。常に前向きな、本当にチャレンジ精神旺盛な、やはりとにかく動きが華麗でしたからね。ええ。だから、あれだけ見ると、あれだけで「ああ、かなわないなあ」と思うようなね、プレーぶりでしたね」と悼んだ。