
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム5-4阪神>◇4日◇エスコンフィールド
日本ハムのドラフト5位ルーキー山県秀内野手(23)が、プロ初本塁打を本拠地左翼ブルペンへ放り込んだ。同点に追いつかれた直後の4回2死一塁、阪神門別から放った小6以来の1発が決勝弾となった。今季交流戦1勝を呼び込み、セ・リーグ首位阪神との戦績を1勝1敗のタイに戻した。
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山県が「おかげさま1号」を放った。4回2死一塁、門別の初球144キロ直球を左翼ブルペンに運んだ。「小6のリトルリーグの時以来の本塁打。今までの野球人生で一番感触のいい当たりだった」と喜んだ。
この日は母校早大が東京6大学リーグ3連覇。「オフはいつも一緒に遊んで、ご飯を食べさせたりしていた」という仲良しの後輩・伊藤樹投手(4年=仙台育英)が完投勝利。自身も負けずにプロ1号を放ったが、さすがに「もう祝勝会に行ってますね(笑い)。今日は見てないかな。今度おいしいところに連れて行ってあげたい」と、2人での祝賀会を思い描いた。
稲城シニアの中学時代も、早大学院時代も本塁打ゼロの守備職人が、プロ1年目、56打席目で早くも1号。「監督、コーチ、先輩方に声をかけてもらって、おかげさまで打てたホームラン。めちゃくちゃうれしかった」。交流戦前には、新庄監督からDMで「ゆっくりタイミングを取ってポイントを前に」と助言が届いた。この日の試合前は八木打撃コーチから「前に突っ込むのを抑えて」と声をかけられた。守備だけでなく打撃でも開眼するよう気遣う首脳陣の思いに、しっかり応えた。
後輩が優勝を逃し悔しいであろう慶大OB郡司の言葉も背中を押した。「キャンプ中から郡司さんに『野球はホームラン。しっかりバットを振れ』と言われ続けたことが結果につながりました」。ライバル大出身の先輩の言葉にも「そこは大学の垣根無く…まあ早稲田が優勝したのでいいかなと(笑い)」。素直に耳を傾け吸収する姿勢が、記念の一打を生み出した。【永野高輔】
<山県秀アラカルト>
◆出身 2002年(平14)5月1日、新潟・三条市生まれ、東京都出身
◆球歴 4歳から野球を始め、東京・国分寺第二中時代は稲城シニア、早大学院を経て進学した早大では4年春にベストナイン。東京6大学リーグでは通算62試合出場で54安打
◆趣味 姉の影響で小2からピアノを始め、早大2年まで週1回、教室に通う。得意な曲はショパンの幻想即興曲。「無意識に両手両足を動かせるまで練習する面は野球につながる」
◆特技 6歳から小6まで体操教室に通う。器械体操で培った器用な身のこなしが好守の源で「空間認識能力が鍛えられた」
◆卒業論文 商学部で投資などの企業リスクマネジメントについて研究
◆目標の選手 鳥谷敬
◆サイズなど 176センチ、80キロ。右投げ右打ち。50メートル走は6秒1
◆好きな有名人 Little Glee Monster