
悩めるエースが、お得意の「セ界戦」で復活投球を誓った。
ソフトバンク有原航平投手(32)が交流戦開幕となる3日の中日戦(みずほペイペイドーム)に先発。2日には本拠地で行われた投手練習で調整した。日本ハム時代を含め、交流戦は通算9勝をマーク。ホークス移籍後は3勝0敗、防御率1・42の好相性ぶり。勝率5割のパ4位から巻き返しを図るチームの好スタートを、背番号17が演出する。
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「セ界戦」の開幕投手を託され、有原の表情が引き締まった。キャッチボールにも、1球1球に力が入る。約1時間ほどの投手練習で汗を流し、強調したのは「チームが勝てるように」。3日の中日戦に先発。今季はここまで2勝5敗、防御率4・35と苦しむ。成績不振に、大黒柱として責任を痛感する。名誉挽回に向け、交流戦の初陣マウンドで復活投球を誓った。
「チームが勝てるようにしなきゃいけないと思う。もう、ほんとにそこだけを意識してやりたいなと思います」
めっぽう強い。日本ハム時代を含め、交流戦は通算18試合登板で9勝(4敗)をマーク。ホークス移籍後は計5試合登板で3勝0敗、防御率1・42と“交流戦男”ぶりを発揮する。だが、好データには目もくれず「特に(交流戦のイメージは)ないですけど。目の前の1試合っていう意味ではめちゃくちゃ意識しているところではないですけど」ときっぱりだ。それよりも「対戦の少ない相手なので。しっかり研究して勝てればと思っています」と頭は冷静だ。相手先発は同通算26勝を誇る涌井。自然体を貫き、ベテランとのマッチアップを制して自身3試合ぶりの白星をつかむ。
チームは24勝24敗2分けで勝率5割のパ4位に沈む。浮上へ、首脳陣もエース有原の復活には大きな期待を寄せる。倉野投手コーチは「中心選手なので。有原が“ビシッ”といってくれればチームも乗ってくる。必ずやってくれると思ってます」。有原自身も「なかなか勝ててないので。そこはすごく感じているので、いいピッチングをしたい」と背筋を伸ばした。
ホークスにとっては13年以来にBクラスで突入することになった交流戦だが、両リーグ最多8度の優勝と圧倒的な強さを見せつける。通算では251勝を誇り、お得意のセ球団から白星量産で巻き返しへ-。背番号17が、その先陣を切る。【佐藤究】