
<日本ハム1-0ロッテ>◇1日◇エスコンフィールド
日本ハム新庄剛志監督(53)が2試合連続サヨナラ勝ちで交流戦前のリーグ戦を3連勝で締めくくった。今季最多の貯金9とし、単独首位として臨む交流戦は目標を「11勝7敗」に設定。3日から昨年の交流戦でMVPに輝いた水谷を再昇格させることも明言した。本拠地で開幕カードを戦うセ首位の阪神藤川監督の采配に警戒しつつも、あの“騒動”を引き合いに宣戦布告した。
◇ ◇ ◇
また新庄監督の“勘ピューター”が劇的勝利を呼び込んだ。0-0の9回先頭。レイエスに対し、ロッテ・ゲレーロが制球を乱して3ボールとなった。「あんだけ荒れてたら(セオリーは)『待て』」。それでも「打て」のサインを出し、サヨナラアーチが生まれた。
伏線は3日前。指揮官はレイエスに聞いていた。「アメリカではモーレ(レイエスの愛称)に対して3ボールは『打て』なのか『待て』なのか」。助っ人の答えは「オフコース、打て。自由に俺に任せて打たせてくれた」。力強い言葉を信じて大正解だった。
前日5月31日も2点を追う9回に代走準備をしていた矢沢を急きょ代打起用し、同点適時打。「説明できん」という“勘ピューター”采配が郡司のサヨナラ打へとつながった。勘がさえまくる理由は、選手たちの特徴や現状、相手の情報も把握できているからだ。
3日からの交流戦に向けても準備万全だ。「セ・リーグの映像もたくさん見てるし、頭にはもう入ってる。なんとかいい戦いができるように」。その中で全18試合を戦う期間限定の特別な3週間の目標は「11勝7敗でいってくれたらいいかな」と設定した。
起爆剤も用意した。「水谷くん。交流戦で首位打者を取った男は今年もやってくれますよ」。不振で再調整中の24年交流戦MVP男の再昇格を明言。3日の開幕カードから「もちろん」とスタメン起用し、ここ2週間ほど低調な「海賊打線」のテコ入れも図る。
その開幕カードはセ首位の阪神をホームで迎え撃つ。初対戦となる古巣の後輩、藤川監督に対しては満を持して宣戦布告した。
新庄監督 (藤川監督が)この辺に(近くに向かって)来たら、こう(近づき返して)やろうかな。それで次の日はメンバー表交換の時に目を合わさない。それ、伝えといてください、球児に…へヘヘヘ。
4月の阪神-広島戦(甲子園)で起きた、あわや乱闘騒ぎの一件を引き合いに“挑発”した。「待ちに待った試合」と待ち望んでいた交流戦でさらに勢いに乗り、首位独走態勢に入る。【木下大輔】