
<楽天2-4ソフトバンク>◇30日◇楽天モバイルパーク
ソフトバンクが逆転勝ちし、再び貯金生活へと突入した。2-2の8回2死満塁から川瀬晃内野手(27)が勝ち越しの押し出し四球を選んだ。不調に苦しむ栗原陵矢内野手(28)は計2安打を放ち、7番山川穂高内野手(33)も2回1死一塁から5試合連続安打となる左翼二塁打をマークした。栗原、山川と小久保裕紀監督(53)が優勝のキーマンに挙げる2人が、復調の気配を見せた。
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ソフトバンクが、ロングゲームを制して再び貯金1とした。仙台で雨に降られ、26分間の中断もあった。それでも粘って8回に3点を挙げて逆転勝ち。試合後、小久保監督は疲労感もあっただろうが、開口一番「勝ちゃあ、いいでしょ」と笑顔で言った。
先発大関が初回に1点を先行された。開幕から先発ローテーションを守り抜く左腕だが、調子はよくない。5回を投げ毎回走者を出す苦しい投球だったが、失点は初回の1点のみ。小久保監督も「調子はよくなかったと思うけども、走者を背負いながらもゲームを壊さなかった。普通なら5点くらい取られてもおかしくないが、ローテの役割は果たしている」と責めることはなかった。
1-1で迎えた7回に3番手杉山が2死二塁から伊藤に適時三塁打。その直後に雨脚が強まり中断。12試合ぶりの自責点となった杉山だが、再開直後の2死三塁のピンチは中島を空振り三振に仕留めて追加点は許さなかった。勝ち越しを許したものの、緩んだマウンドでも集中力を切らさなかったセットアッパーの投球。冷たいはずの雨も「恵みの雨」となった。直後の8回。先頭近藤の四球をきっかけに3得点。試合をひっくり返した。
交流戦前の最終カード。何としても上昇機運に乗って「セ界戦」に乗り込みたい。豪快な打撃戦には持ち込めなかったが、復調を期待する山川と栗原のバットに光明もあった。山川は2回の第1打席に左翼線二塁打。5試合連続安打を放つと、栗原は7日の西武戦(ベルーナドーム)以来、16試合ぶりのマルチ安打。「栗原は横から見ていても(打席の)間合いがよかった」と小久保監督もうなずいた。
31日には今宮もチーム復帰。チーム再浮上へ、みちのくで鷹は勢いに乗る。【佐竹英治】