
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)29日(日本時間30日)=斎藤庸裕】頂上決戦の再現シリーズが、ロサンゼルスで開催される。ドジャースは30日(同31日)からヤンキース3連戦に続いて、メッツとの4連戦を本拠地で迎える。ともに昨年のポストシーズンで戦いを繰り広げた東海岸の強豪球団。打線をけん引する大谷翔平投手(30)とヤ軍のアーロン・ジャッジ外野手(33)の主砲対決に加え、3戦目に先発する山本由伸投手(26)とヤ軍打線の再戦も注目される。
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見どころ満載の頂上決戦再現シリーズとなる。まずは大谷が、難攻不落の左腕に立ち向かう。ヤンキース3連戦の初戦は先発左腕フリードと対決。今季7勝0敗、防御率1・29と圧倒的な成績を残している好投手とは、対戦成績で5打数3安打1本塁打と好相性だ。昨年5月の対戦では大きく縦に割れる宝刀カーブを捉え、バックスクリーンに運んだ。フリードのリベンジか、大谷の返り討ちか。ハイレベルな戦いとなる。
大谷は今季、両リーグ最速で20号本塁打に到達。29日(同30日)の終了時点で単独トップをキープしており、量産態勢が続いている。5月の月間本塁打数は13本で、残り2試合。自己最多(23年6月の月間15本塁打)の更新にも期待がかかる。一方、ヤ軍の主砲ジャッジは両リーグトップの打率3割9分1厘、18本塁打(同4位)、OPS(出塁率+長打率)1・227も群を抜いている。大谷とのアーチ競演にも注目だ。
両者の対決で言えば、ヤンキースタジアムで中堅手のジャッジが大谷の大飛球をジャンピングキャッチしたことも記憶に新しい。201センチの長身だからこそ可能なスーパープレーが、22年から2年連続で起こった。DHでの起用や右翼の守備が多い今季のジャッジが、ドジャースタジアムでも同じようなプレーを見せるのか。22年8月末、エンゼルス時代の大谷は本拠地での3連戦で2本塁打。一方のジャッジも2本塁打で応戦した。東西の名門球団を背負う2人の対決には、独特のストーリーがある。
昨年のワールドシリーズはド軍がヤ軍を4勝1敗で下した。投手陣では、世界一に貢献した山本が今シリーズの3戦目に先発。今季ここまで6勝を挙げ、防御率1・97と安定感抜群の右腕が、リベンジに燃えるヤ軍打線と再び顔を合わせる。週明けのメッツ戦も昨年のリーグ優勝決定シリーズで対戦した相手だが、週末のヤ軍3連戦はさらに注目度高い。混乱を避けるため、球団は開門を1時間早める特例の措置をとった。10月のポストシーズンを見据えても、両軍にとって負けられない戦いとなる。