
ガンバ大阪に新加入したMF安部柊斗(27)が30日、加入後初めて取材に応じた。
チームはこの日、大阪・吹田市内の練習場で翌日の鹿島アントラーズ戦(パナスタ)に向けて非公開練習。合流3日目の安部は別メニューで調整した。27日にベルギー2部モレンベークからの完全移籍加入が発表。新天地でのプレーを前に「ボックス・トゥ・ボックスの動きであったり、強度の高いプレーを90分間できるのは自分の強み。そこを評価して自分を獲得してくれたと思うので、存分に出していかないといけない」と意気込みを語った。
欧州での戦いを経験したことで、より力を増してJの舞台に復帰する。安部は自身の変化を「より強度が出たと思う。練習がきつくて、筋力トレーニングも毎日のようにやっていたので、パワーアップは自分の中ではできたかなと思う」と2年間の海外挑戦を振り返った。
ベルギーでの2シーズンを終えた安部は当初、欧州での移籍を考えていたというが、さまざまな事情もあって日本復帰を決断。「すごく熱心で自分の中にも響いたので、早めに決断した。海外であまり結果を出せず、本当に何もできなかったなっていう思いが強かった。新しいチームで挑戦して、海外で得たものをこのガンバで全てささげようかなっていう気持ちになった」とG大阪からのオファーを快諾した。「1週間に1度の試合で、刺激がちょっと足りなかった。ガンバはACL2(アジア・チャンピオンズリーグ2)にも参加するということで、試合数が増える。自分はすごく試合をやりたい選手なので、それも1つの決め手になった」と1試合でも多くピッチに立ちたいという考えも、アジアでの戦いを控えるクラブに合ったという。
既にダニエル・ポヤトス監督(46)とは個別ミーティングを行い、ポジショニングなどの確認も進めている。待望の存在の獲得に、指揮官からも「FC東京の頃から本当にいい印象しかなかった。インテンシティー(強度)高くやってくれると思うし、しっかりと走れる選手。ダワンの穴をしっかり埋めてくれる選手になる」と期待を寄せられる。
G大阪で旧知の選手は、全日本大学選抜でともにプレーしたDF黒川圭介(28)、MF鈴木徳真(28)ぐらいだというが、チームにはスムーズに入れた様子。当初は大阪の雰囲気を恐れていたようだが「意外とコテコテな関西弁はあんまりないなっていう印象で、僕がイメージしていた大阪とちょっと違った。それは自分的には良かったです(笑い)」と話し、順調に1歩を踏み出せたことを明かした。
MFダワンが移籍し、MF美藤倫(23)も離脱中で本職が鈴木とMFネタ・ラビ(28)しかいなかったボランチに加わった新戦力。戦番号13の推進力あふれる選手が、ここからG大阪を引き上げていくことになりそうだ。【永田淳】